セキュリティ
今日は何かあるといけないので、メイドさんも一緒に家に帰る事にした。
あのバカが誘拐でも企むかもしれないからね。
家に帰ると全員がリビングで寛いでた。
あっ! あの女性冒険者もまだ居る。
そういえば泊まってたなぁ。
冒険者なんだから、依頼受けに行かなくても良いのか?
まぁ、丁度良いか。
「皆、聞いて~」
注目を集めてからギルドでの事を皆に話した。
「って事なんで、何日かは買い物出来ないかも」
「大丈夫よ。昨日色々買ったから」
そういえばそうだったね。
その言葉にミーちゃんとモリタ君が深く頷いている。
凄い買い物だったのだろうな……。
「で、どうするの? そのクソ野郎をボコボコにするの?」
「ナグラさん、女性なんだから「クソ野郎」は止めなさいよ。せめて「ピー野郎」くらいにさ」
「変わり無いと思うっスけど……」
「ま・まあ、とにかく。明日以降は女性陣に護衛してもらおうと思ってるんだけど」
「何で女性なのですか?」
「いや、メイドクラスだからなんだけど。別にモリタ君が女装して行っても良いよ?」
「お断りします。黙ってます。すみません」
いや、脅した訳じゃないよ? そんなにイヤか?
俺? 勿論イヤだよ?
「つまり、授業中も護衛するのね?」
「そうなるかな? まあ、受けなくても良いんだけど。それに授業中までは襲ってこないと思う」
「……学園編キター!!」
「あぁ、うん、そっちね……。じゃあ頑張って、同級生に目を付けられてきてください……」
これでメイドさんの安全は保障されただろう。
別の意味の危険がナグラさんのせいで発生しそうな気もするが。
一応完璧を目指して、メイドさんには俺の腕時計を着けてもらう。
で、取り憑いているガーに「この女性の護衛を頼む」と伝えておく。
「他に何かあるかな?」
「福田さん自身が狙われる可能性があるっス」
「あ~、そうか。それで言えば、この家が狙われる可能性もあるか」
まだ、スライムセキュリティを作って無いんだよな~。
こんな事ならやっておけば良かった。
「俺自身の護衛はチョロに任せるとするわ。チョロなら飛び道具でも大丈夫だし」
「接近戦はどうするんスか?」
「武器はマジックボックスに入れてるから大丈夫。囲まれたらトムさんでも呼ぶよ」
「……殲滅っスね。相手がかわいそうな気がして来たっス」
「悪人に人権は無いから大丈夫よ」
ナグラさん、それは思ってても言ってはいけないよ。
俺も前に言った気がするけどさ。
「後は家の護衛か~。良し、シロに頼もう」
「あぁ、近衛アリね。見えない護衛か~。ある意味ヒドいわね」
「えっ? 何で?」
「例えば兵士が周ってるなら何もせずに帰るじゃない?
でも護衛が見えないなら、何かしようとするでしょ? でも何かしようとすれば捕まるじゃない。
前者は生き延びれるけど、後者は最悪死刑の可能性も」
「そういう事か。じゃあ門の所にはミーちゃんとモリタ君が交代で見張るってのは?」
「引き受けよう」
「頑張ります!」
「日中だけで良いからね。後、ちょこちょこ休憩してね。あっ、椅子も置いておくか」
「のんきな門番ね……」
これでセキュリティは大丈夫だろう。
後は貴族の問題か~。
ま、これは明日にでも王様に話せばいっか。
さあ来い! いつでも良いぞ!
いや、早い方が良いけど!




