バトラーギルド
翌日。
朝からギルドに向かっています。
同行者はヒタキさん。
だって俺、ギルドの場所知らないから。
ギルドは、バトラーギルドと言うらしい。
バトラーって執事の事だよね?
あれ? メイドも所属してるのに?
って事を聞いてみた。
すると、「使用人にも色々な職種がありますが、最上位は執事ですので」という回答。
つまり、執事が統括な訳ね。
で、統括の名前が付いてるって事か。納得。
そうそう、女性二人は昨日ついて来た(?)女性とずっと語り合ったようだ。
では俺は許されたのか?
いや、今朝も何やらあまり機嫌がよろしくなかった感じ。
だから、早くから出かけてるのですよ。
ってか、そもそも、許されるって何だよ?!
到着したギルドは、学校みたいな作りだった。
非常にデカい。規模を例えるなら田舎の廃校になりそうな分校くらい。
判り難い? 気にするな。
どうせなので、ヒタキさんに説明されながら建物に入る。
「ここは、訓練校でもあるのですよ」
「訓練校? あぁ、執事やメイドの」
「それだけでなく、侍女・庭師・料理人・警備員などコースもあります」
「へ~、凄いですね~」
「ここで優秀な成績を収めると、高給で雇ってもらえるのです」
「そりゃそうか。お墨付きだもんね」
凄いな。一流大学を主席で卒業みたいなものか。
そりゃ誰でも高い金払ってでも雇いたいよね。
「誰でも入学出来るの?」
「はい。市民でも貴族でも入学出来ます。入学してしまうと身分は関係ありませんが。
お金もほとんどかかりません。足りない分は国から補助されます。
しかし、半年後の試験で一つでも赤点だと留年になります。1年生の場合は退学ですね。
留年したり退学したりした場合は、補助金は返却しなくてはなりません。借金ですね」
「厳しいですね……」
「真面目にやらないのなら、入学する意味が無いですよ」
確かに入学して遊んでたら意味無いわな。
う~ん、日本の大学もこうすれば良いのにね。
入りたくて勉強したんだから。入る事が目標じゃダメだよね。
って、これは偏見か。真面目にしてる人の方が多いはず。多いと信じたい。
しかし、身分差無しか~。
ラノベのテンプレだね。
で、貴族が平民を見下すんだよね。
それで勝負して貴族が負ける。で暴走。お決まりだ。
興味が出た。聞いてみよう。
「貴族が見下すような事は無いんですか?」
「あぁ、ありますね。そういう者はほとんどが留年か退学になりますが」
「ちなみに貴族がそうなった場合、周りはどう見ます?」
「はっきり言って、クズ扱いですね。結婚すら出来なくなるでしょう」
辛口のコメント、ありがとうございます。
こりゃテンプレなんか起きないな。
「あっ、そうです! 福田様が連れて来られたメイド見習いですが、2日に1度、ここに通っていますよ」
「えっ?! そうなんですか?! 費用は?」
「費用はネモト卿に話した所、国が払うと言われましたので問題ありません」
「そうですか。良かったです」
あっ、そのメイドで思い出した。
あの時、メイドギルドって話してた気がするんだが。
「そう言えば、メイドギルドってのもあるんですか?」
「正確にはバトラーギルドなのですが、中で分かれており皆が好きに呼んでいるのです」
「そういう事ですか」
「えぇ。捕捉しますと、今向かっている所は、通称『銀行ギルド』です」
何でも『~ギルド』って言えば良いってものじゃないだろうに。
言いたいんだろうな。俺も言いたいし(笑)
俺の場合『異世界ギルド』か?
バカな事を考えてたら、通称『銀行ギルド』の前に到着した。




