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チ・ハラ?

「え~、チ・ハラ、さん、ですか?」

「お前、忘れたのかよ?!」

「忘れるも何も、知らない人だと思うんですが」

「あんなヒドい事しといて、忘れるかね……」


えーーー?!

俺、その人にヒドい事したの?!

ヤベぇ! 誰だ? 誰だ??


「え~と、その人に、俺は何をしたんでしょう?」

「本当に覚えて無いんだな……」

「はい……」

「冒険者。タルーンの店。契約の水晶玉と腕輪。これで思い出したか?」


え~と……あぁ!!

思い出したぞ!!

あの調子に乗ってるイケメンか!!


「思い出したようだな」

「はい! 思い出しました!!

 あれ? でもそんなにヒドい事してないと思うんですけど?」

「お前……冒険者に『ダンジョン立入禁止』って契約させといて、ヒドくないって言うのか……」

「い・いや、だってですね! あれは向こうが絡んできての結果ですよ?

 それに女性冒険者は認めないような発言してましたし!」

「ん? こちらの知ってる話とは違うな。ちょっと詳しく話してみろ」


俺は思い出せるだけ話した。

あぁ、空間魔法を使って勝ったのだけは内緒だけどね。

詳しくは106話辺りに……ゲフンゲフン。


「ふむ……。ちょっと待ってろ」


そう言ってギルドマスターは席を立ち、人を呼んだ。

何か2・3事話したら、呼ばれた人はどこかに走っていった。


「今、タルーンの店に人をやった。

 その時の目撃者でも居れば、話を聞いて来いってな。少し待ってもらうぞ」

「あっ、判りました」


待つ事20分。

ようやくお使いに行った人が帰ってきた。

いや~、もっと早く帰ってきて欲しかったよ。

ギルドマスターと二人きりで無言で待つ……。ムチャックチャ苦行だったわ!


その人は誰かを連れて来たようだ。あっ、あの時の私兵の人じゃないか?

どうやら第三者的な立場って事で、話を聞くようだ。

ギルドマスターは、私兵の人から事情を聞いている。

俺、間違って無いよね? こういう時って、間違ってなくても不安になるわ~。


「ふん。どうやら、福田の言ってる事に間違いは無いようだな」

「そうですよね?! 俺、悪くないですよね?!」

「あぁ。お前に問題は無い」

「じゃあ、これで話は終わりですよね? 帰って良いですよね?」

「まだ終わってないぞ」

「え~……何ですか?」


もう良いじゃないか。そのチハ……イケメンが悪かったって事でさぁ。


「確かにその時の行動は問題だ。『ダンジョン立入禁止』ってのも妥当な罰だな」

「そうですよね。それに、俺は口約束だけのつもりだったんですよ?

 なのにタルーンさんが腕輪を出してきてですね……」

「判ったから黙って聞け!」

「はい!」

「それ以来、チハラは護衛の仕事を主に活動してきた。

 それ以外では採取の依頼などの細々とした依頼まで真面目に受けてきた。

 そろそろ解放してやっても良いと思わないか?」

「はぁ。ギルドマスターがそう言うならそうでしょうね。

 でも解放の仕方なんか知りませんよ?」

「水晶玉を割れば良いんだ」

「持ってませんけど?」

「持ってない……?!」

「多分、タルーンさんが持ってると思いますよ。

 タルーンさんに頼んでください。業務妨害もしてましたしね。

 タルーンさんが許すなら、俺も許すって事で」

「判った。俺から話すとしよう」

「これで終わりですね? 帰りますよ?」

「おう。帰っていいぞ!」


ヒャホーイ! やっと解放されたぜー!!

ってもうすぐ夕飯の時間じゃないかよ!

のんびりしたかったのになぁ……。

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