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噛み付く貴族

帰宅したメイドさんから聞いた話だと、やはりタルーンさんはまだ帰ってないそうだ。

帰ったら連絡してもらえるように『メール』を送っておいた。

ミノタウロスのツノを見たら、また驚くだろうなぁ。



って事で翌日。

攻略終了を告げに城へ。

ムカイ団長ともお別れなので、二人で歩いて城に向かった。

他のメンバーは買い物に行くってさ。


到着したら急遽謁見って形になっちゃったよ……。

こんな事なら『コネクト』で来れば良かった!


30分くらい待たされて、謁見の間へ。

面倒だが、しょうがないな。ちゃんとしよう。

事前に団長から「私が喋るので、話を振られた時だけ返事をすれば良いですよ」と言われた。

助かるわ~。何が不敬なのかも判らないからね。


「二人とも楽にしたまえ。」

「「はっ」」

「ダンジョン探索ご苦労であった。結果はどうであった?」

「はっ。どちらのダンジョンもモンスター分布に変わりはありませんでした。

 ドロップ品にも変化はありません」

「そうか。ご苦労であった」


ふう。これで謁見は終了か。

俺、最初に「はっ」しか言ってないけど。


「王よ、少しよろしいでしょうか?」

「うむ。発言を許す」

「この者、このような短期で2つのダンジョンを本当に調べたのでしょうか?」

「ふむ。では同行していたムカイ団長、どうだった?」

「はい。間違いありません」

「いくら強力な従魔が居たとしても早過ぎる! どのような手を使ったのだ?!」


何だ? この貴族。

団長が間違い無いって言ってるのに、信用しないの?

そうなると、団長を任命した王や2トップを疑う事になるぜ?


「福田様にしか出来ない方法で行われました」

「その方法を聞いておるのだ!」

「方法を聞いてどうするおつもりで?

 自分の領土にあるダンジョンの攻略に役立てるおつもりなら無理ですぞ?」

「そのような事は考えておらん!」


あっ、そういう事ですか。

この間団長に聞いたのだが、お金がかかるんだよね。

ダンジョン調べるのは国の仕事で騎士や兵士がやるんだけど、滞在費は別。

ダンジョンのある領土の貴族が、滞在費を払うそうな。

短期で終わればありがたいよね~。人数が少なければもっと良い。


しかもその間はダンジョンは立入禁止だそうで。

特産品がダンジョンのドロップ品しか無い所は、期間前に取り貯めするんだってさ。

でも、鮮度があるモノはそういう訳にもいかない。

そういう所は収入減になる。すると税金も減るって事。


自分の懐の話だもんな。

そりゃ、不敬になりそうでも、聞きたいわな。

でも、止めた方が良いと思うよ。ネモト卿が怖い顔になってきてるもん。

あっ、俺と目が合った……。


「では、福田様から簡潔に説明してもらいましょう。よろしいですか、福田様?」

「はい」

「では、お願いします」

「ボスに頼みました」

「……え~と、簡潔すぎますね。もう少し説明を……」

「ドラゴンとミノタウロスに頼んでデータを貰いました」

「……ムカイ団長?」

「……事実でございます。先ほどから聞かれていた答えはコレでございます。

 福田様にしか出来ない事でしょう。私もこれほど驚いた事はありませんでしたよ」

「「「「……」」」」


謁見の間があっという間に静かになっちゃった。

自分の領土にあるダンジョンのボスと話をする。実行出来る貴族なんて居ないだろうなぁ。


しばしの時間の後、沈黙を破ったのは王様だった。


「ハッハッハ! さすが福田君! 想像を超える事をするなぁ。

 ではこれで、その任を解くとする! 以上!」


さすがに先ほどの貴族も何も言わない。

ウソだと思っても言えないよね。王様が認めちゃったんだから。

やれやれ、これで帰れるよ。

おっと、王様の私室にドロップ品を置いて帰らなきゃね!

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