ふるさと
今思ったけど、俺の知られちゃマズい秘密って、後何が有るっけ?
・『コネクト』が使える(空間魔法全般?)
・トムさんが従魔(レベル200だから)
・2国の王様と知り合い
・ICPO(笑)の事
・カップ麺など、ネットで買った物
・アリとの関係
・武器の事(ドラゴンの素材で出来ている)
これくらいか?
うん、大した事無いな。
たった1人に知られたって問題無さそうだ。
言い触らすかもって?
大丈夫。こんなの喋ったら、頭おかしいって思われるから。
良し! バンバン公開していこう!
自重? そんなのはしてる振りしてしてないと同じだから!
少なくともラノベではそういう認識だ!
まぁ、それは冗談としてもさ、ヘタに隠す方が目立つって。
コタニさんを見ろよ。引いてるけどついて来てるぜ? 引いてるけどな!
そんな事考えながら歩いてたら、採掘場所に到着。
モリタ君は呆然としてる。
1度も行き止まりに行かず、罠にもかからず、モンスターも出ず、最短で到着。
そりゃ呆然とするか。
運も使ったしね。
今日は採掘する人が誰も居なかった。
なので採り放題だ。
ここは地の魔石が取れる場所のようだ。緑色に鈍く光ってるのが地の魔石。
俺の古い常識でも知ってるぜ!
と言っても、粘土で物を作る時に埋め込んでおくと強度が上がる、ってくらいしか知らないけど。
これを10個ってのがモリタ君の任務だったね。
ついでだから、俺達も採って行く事にした。
皆で集めて、1時間で100個集まったよ。
モリタ君も手伝ってくれたし。
掘る道具は縁に置いてあったけど、使った事無かったしモリタ君に任せた。
俺達はもしやと思い、ドラゴンバスターやドラゴンブレイクで掘ってみた。
ツルハシより簡単に採れたので良かったよ。
モリタ君はまた呆然としてたけどな。
この調子だと、今日は6階にはいけないなぁ。
6階に行く階段の所で帰る事になりそうだ。
あっ、モリタ君の動向も聞かなきゃ。
「これで依頼は達成だね。帰るの?」
「ええ、そうですけど。
あれっ? 皆さんはどうするんですか?」
「このまま進むよ」
「そのような依頼を受けてるのですか?」
「そうなるのかな? まぁ、途中で帰ってまた来るけどね」
「??? あの~、意味が判らないんですけど……」
「えっ? 何で?」
「5階まで来て、一旦帰り、また5階以降に進むのは手間じゃないですか?」
「あぁ、そういう事ね。いや、手間じゃないから。コレ知ってる?」
そう言って転移板を見せる。
おっと、一般の人が知ってる訳無いか。と思ったら、過剰に反応された。
「こここここ・これって!! ももも『門のシール』じゃななないですか!!」
「あれ? 知ってるの?」
そういうと、モリタ君はハッとして口を手で押さえた。
いやいや、今更そんな事しても遅いって。明らかに知ってたろ?
それを見たナグラさんが追求しだした。
「知ってんでしょ? 喋っちゃいなよ。楽になるぜ?」
「……」
「どうだ? ん? カツ丼食うか?」
「……」
「どうした? タバコ吸うか?」
「……」
「国のおっ母さんも心配してるんじゃないか? う~さぎ、美味し~い、かの山~♪」
「警察の尋問かよ!」
思わずツッコんでしまったわ。
今時、そんな尋問も無いけどな!
それに、ウサギ美味しいって何だ! 歌詞が違う!!
俺達のアホなやり取りを見て、モリタ君は観念したようだ。
モリタ君自身の秘密を話し始めた。




