福田の秘密
ドロップ品を皆で回収し終わると、モリタさんが話しかけてきた。
「すみません。お世話になります」
「いえいえ、ついでだから気にしなくて良いんですよ」
「……敬語は止めてください。貴方の方がランクもレベルも年も上なのですから」
「そうですか? じゃあ……そうしようか」
「お願いします。名も呼び捨てで良いので」
「いや、それはどうだろう? じゃあ、モリタ君と呼ぼうか」
「え~、あだ名で呼ばないの~?」
「……なんとなく想像付くけど。ちなみに何てあだ名?」
「反対から読む」
「そうだろうと思ったよ! 却下だから!」
別にサングラスしてないし、坂道とか詳しい司会の人じゃないでしょ!
多分、問題になるから!
ナグラさん、何て恐ろしい提案をするんだ!
移動しようと思ったが、昼が近かったのでここで昼飯にする事に。
今日は全然進んで無いなぁ。
今日の昼飯は牛丼だ。オオキの村のやつ。
毎日カップ麺は飽きるからね。たまにで良いんだよ。
モリタ君にカップ麺見せれば質問されるのが判ってるし。
な~んて思ったけど、牛丼出した時点で質問されました。
そう言えばマジックボックスもレアだったわ。
「福田さんはマジックボックス持ちなのですか?!」
「そ・そうだよ。ははは~」
「道理で荷物が無いと思いましたよ!」
そうか、そこから疑問でしたか。
小さいカバン(異次元のカバン)を1つ持ってるだけだもんな。
前は俺が持ってたけど、今はコタニさんが持ってるんだよね。
護衛が持つっス!って言って取り上げられたっけ。
コタニさんは後衛なので、邪魔にならないから良いんだろうけどさ。
ちなみに中にはお金しか入ってない。ナグラさんの為に100万円ほど入れておいたんだ。
いちいち俺に、~買うからお金頂戴って言うのもアレだなと思って。
下着とか言い難いでしょ?
う~ん、こういうのを彼にバラして良いのかな?
ラノベとかだと隠してたような……。
うん、いいか。隠すのも面倒だしね!
軽く脅しておけば言い触らす事も無いだろ!
「モリタ君、ちょっと聞いてくれるかい?」
「なんでしょう?」
「俺、色々とレアな物を持ってるんだ。言い触らさないでくれると助かるかな」
「レアな物ですか? まあ言うなと言われれば言いませんけど。
しかし、従魔・マジックボックス、それ以外にも何かあるのですか?」
「うん、あるね。え~と、、、まあ良いじゃない! その時判るよ!」
「え~……。出来れば説明して欲しいのですが……」
「気にしない気にしない! 知ると命を狙われる事があるかもしれないけどさ。大丈夫!」
「さらっと怖い事言いましたよね! 気になりますよ!」
「はっはっはっはっ」
「笑って誤魔化した!!」
面倒なんだよ~。
どうせこれから色々見る事になるんだから、その時で良いじゃないか。
横を見ればコタニさんが達観したような顔をしている。
そうだよな、この中じゃ一番普通の人だもん。色々と衝撃があったかもしれない。
でも、馴染んでるけどね。お気楽な性格のお陰かな?
昼飯も食べたので、早速移動だ。
タブレットを取り出して、コタニさんに渡す。
何故コタニさんなのか。
それはさっき判ったのだが、迷路をクリアするのがコタニさんが一番早かったのだ。
俺なんか5分くらいかかるんだけど、コタニさんは1分くらいで解いてしまう。
聞けば直感なのだとか。そういう人って居るよね~。
当然モリタ君は、タブレットを見て驚いていた。
「何ですか、それーーーー!!」と大声を出してたので、すぐに判ったよ。
まだ俺の秘密の一部だよ、それ。
今からそんなに驚いてちゃあ、体と精神が持たないぜ?




