テンプレテンプレ
う~ん、他に何か良さそうな要求は無いかなぁ。
そうだ! こういう時こそ、さっきみたいにラノベを思い出すのだ!
テンプレ以外にも有効なのが思いつくかもしれない!
とは考えたが、そんなに沢山のラノベを読んだ事がある訳でも無かったわ。
では何故テンプレを知ってるのか?
それはネットで「ラノベ ファンタジー テンプレ」で検索した事があるから。
ほら、テンプレって、好きな人と嫌いな人がいるじゃない?
俺はどっちでも無かったんだけどさ。
調べてそれを読んでる内に、テンプレじゃない話の方が良いなぁと思ったんだよ。
だからテンプレ展開は、ある程度知ってる訳さ。
あっ! ネット検索出来るってのはどうだろ?
で、知識無双……出来るほどこの世界は古くないわ。
マヨネーズとかもあるしなぁ。多分ドロップ品だけど。
転生で異世界となれば、ハーレムか?!
いや、メノウちゃんだけでもダメなのに、ハーレム?
無理無理。
敵を倒して仲間にするか?!
これ、貰えるものじゃないじゃん。
それに従魔だけど、そうなってるよ!
行く先々で殺人事件が起きて解決。
優秀って言うより死神だわ!
死体なんか見たくないし。
常にラッキースケベが起きる。
セクハラだ!
それに、やろうと思えば運を使って……ゲフンゲフン。考えないようにしよう。
トラックに撥ねられて……。
そりゃ転生前だ。
実はゲームの世界で……。
だからどうした?
あ~、どんどん関係無いのを思い出していく~!!
違うだろ?! 貰える物を考えるんだろ、俺?!
日本刀を貰うか?
かっこいいとは思うけど、使った事無いしなぁ。
それにモンスター相手に日本刀で良いのか?
そもそもだ、日本っぽい世界だからどこかにあるかも。
最強のくせに何か弱点がある。
弱点貰ってどうするよ?
弱体化するじゃねぇか!
物語の主人公としては、そうじゃないと困るだろうけどさ、現実では弱点なんか無い方が良いに決まってる。
でも克服しないよな、弱点。バカかな?と思うよね。
あっ! ネコミミ!! 後、エルフ!!
って、種族を生み出すのかよ!
今いきなりそういう種族が現れたら、パニックになるわ!!
空から女の子が……。
可愛い娘限定イベントですね。
はい。沢山考えたけど、結論は出ませんでした。
「すみません。後一つは保留で良いですか?」
「別にこちらが3つまでと言った訳では無いのですが……。まあ判りました。では保留で」
「お願いします」
「では、先に言われた2つを実行しましょうか。
どちらもお持ちのタブレットで可能な事ですね。丁度良い。アサイと替わってもらえますか?」
「あっ、はい」
「……何でしょうか?」
「福田さんのタブレットを持って帰って来い。グータラでも出来るだろ? 判ったな? 福田さんに替われ」
「またグータラって言った!!」
文句を言ってるアサイさんからタブレットを受け取る。
「20分くらいで出来ると思いますので、お待ち頂けますか?」
「はい、判りました」
「では、グータラアサイに渡してください」
「グータラアサイなんてのはココには居ませーん!」
「……1分遅れる毎に給料が1万減って行くぞ?」
「すぐ戻りまーす!!」
言葉通り、アサイさんは風になった。
さ、俺はトムさんの家で勝手に待つか。




