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驚愕の事実

「で、俺に用事って何よ?」

「閻魔様からの使いなのよ。謝罪だって」

「謝罪? あぁ、ミーちゃんの事?」

「違うわよ。貴方に関する事」

「俺に?」


何だろう? 全然心当たりが無いけど。

何か謝罪される事あったかな?


「君さぁ、よくこの世界の事を質問するよね?」

「そりゃ異世界から来たんだもん。判らない事だらけだよ?

 質問しなきゃ困るだろ? この年齢で世間知らずだとバカみたいじゃないか?」

「不思議に思わなかった?」

「えっ?」

「だって、この世界に転生する前に『地球での常識の破棄』と『スフィアの常識』を受けたでしょ?」

「あぁ、確かそうだったね。

 でもあの時受けた説明は、

 『例えばブタを食べようと思っても殺せるか?日本の常識では抵抗がある事を消した方が良い』ってのと、

 『法律も違う』『一般家庭が1年間生活するのに100万円必要』って事だったと思うけど?」

「それは合ってる。でも『スフィアの常識』ってその程度だと思う?

 日本に住んでて日本の常識って3つくらいで収まる?」

「んん? そう言われるとそうだよな。

 一般常識だけでも山の様にあるわ。マナーまで含めたら数え切れない……」

「そうでしょ? で、最初にした質問、覚えてる?」

「『よくこの世界の事を質問するよね?』だろ?

 あれっ? 確かに『常識』を貰ったはずなのに、知らな過ぎる……?!」

「そう。気づいた?」

「ああああ~~~~!! そうだ! 何かおかしいぞ?!

 もしかして入れ忘れた?!」

「いえ、ちゃんと入ってるわよ?」

「じゃあ何でだよ!!」

「入れた『常識』が古いからよ」

「古い?」

「日本の江戸時代の常識があっても現代では通用しないでしょ? そういう事なの」


何てこった!! 俺の常識は古いのか!!

確かに良く考えてみれば、この世界に来てから食べる為に獣を解体した事無いぞ?

必要な知識として持ってるが、モンスターを倒すと加工した物がドロップするのだ。

解体なんか必要無いじゃないか!!

もしかしたら、今を生きるほとんどの人が獣の解体なんか出来ないんじゃないか?!


「で?! 更新出来るのか?!」

「更新するには、一回死んでもらう必要があるわね。死ぬ?」

「アホか! 死ぬ訳無いだろ!!」

「じゃあ無理。だから謝罪なのよ」

「……そういう事なのか……」

「あのシステムに問題があるのよね~。

 だからバージョンの古いのが入ったのよね~」


ん? 何か引っかかるぞ?

ちょっとカマかけてみるか。


「システムに問題あるのか~。誰だよ、管理してるのは?」

「イイクラとかが管理してるわね」

「ダメだよな~イイクラさん。ちゃんとしないとさ~」

「そうでしょ? いつも怒ってばっかりでさ~」

「アサイさんは頑張ってるもんな~。ひょっとして失敗も擦り付けてたりして……」

「その可能性もあるわね! 今回だってさぁ、システムが悪いのに私が悪いみたいに言ってさぁ!」

「……ほう、その話、詳しく聞きたいね」

「はっ! なんて見事な誘導尋問!!」

「大して誘導してないわ!! さぁ、キリキリと吐け!!」

「うぅ……インストールする時にバージョンの確認せずに入れちゃった……テヘ!」

「テヘ! で誤魔化されるか!! お前のせいじゃないか!!」

「知らないわよ! 古いのが出たままなのが悪いんでしょ!!」

「思い出したぞ! あの時、面倒そうに凄く早く処理したよな!

 覗くってのを誤魔化す為だと思ってたけど、面倒だったんだろ!!」

「そうよ! 普段の業務外の仕事だもん!

 それが終わってからまた通常業務をしなきゃならないのよ?!

 あの日は結局終わらなくて残業だったわよ!

 お陰で合コンに遅れたじゃない! どうしてくれるのよ!!」

「俺の人生を合コンで狂わせるなーーーーー!!!」


こいつ開き直りやがった!!

しかも謝罪とか言いながら責任転嫁してるし。

最後には俺が悪いみたいに逆ギレかよ!

こりゃ、ココで収まる話じゃないぞ?!

上司呼び出しだ!

上のモン出さんかい、コラ!!

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