ダンジョンの情報
その日の夜、ムカイ団長主催のミノタウロスダンジョンの攻略口座が開かれた。
勿論全員参加だ。
「ミノタウロスのダンジョンは、全ての階が迷路です。
そこに、森やら遺跡やら洞窟やらの要素が足されています。
例えば1階から3階は草原迷路となっています。
これは壁は3mくらいの高さなんですが、足元は5cmくらいの草が生えています」
「へ~、迷路が基本装備なんだ」
「やっかいなのは、モンスターではなく罠ですね」
「そう言えば、今までの迷路って罠が無かったなぁ」
「モンスターの出現頻度は低く、その代わりに罠が結構あります。
なので、モンスターの目録作成は手間取る事になりますね」
「あぁそうか! 調べたいのに出てこないなら、出るまで歩き回る事になる。
そうすると罠にかかる頻度も高くなるからね」
「そういう事です」
罠か~。面倒だなぁ。
しかも迷路だよ。
前回みたいにナビが無いから時間掛かりそうだ。
イイクラさんにでも連絡して、マップを貰うか?
いや、モンスターのリストだけは既に持っているから、タローみたいにリストを貰ったっぽくすればOKか?
モンスターの出現頻度自体は、運でどうにか出来そうだけど。
「迷路ですが、夜中の2時にルートが変わるようです」
「質問! 探索中でも変わる事があるの?」
「その時間に迷路内に居ると、強制的に迷路の入り口に飛ばされます。
その後変化するので、やり直しになりますね」
「うわ~、面倒!」
「戦闘中でも戻されます。負けそうな時は助かりますがね」
夜中まで探索する気は無いので困らないけどさ。
『コネクト』を持って無い人達には、やっかいな仕組みだよなぁ。
「罠でやっかいなのが落とし穴です。
一つ下の階に戻される上に、仲間と別れてしまいますからね」
「ん? 下の階に戻る?」
「あぁ、肝心な事を話してませんでしたね。
ミノタウロスのダンジョンは山のダンジョンで、頂上を目指すのですよ。
地表のエリアと山の中のエリアがあります。
落とし穴があるのは山の中のエリアですね」
「そういう事ですか」
「ダンジョンに入らずに山をそのまま登ろうとした者がいました。
すると、強制的にモンスターハウスに飛ばされ、全てを倒し外に出たら1階だったそうです」
インチキしてショートカットするのは許されないんだな。
今回はアリの協力は無理か~。
「何か質問はありますか?」
「モンスターも罠に引っかかるんスか?」
「モンスターは罠にかかりません。
なので、戦闘中はその場を動かないようにしてください。
動き回ると、罠にかかりやすくなりますので」
そうなのか。
モンスター見つけて突撃したら、罠にかかって死亡なんてかっこ悪い最後だわ。
「ちなみに、モンスターは罠の位置を知ってるらしいです。
誘導して罠にかけるオーガが確認されてます」
うわっ、やっかいな!
罠を使用するなんて汚いな!
しかも自分達はかからないし。
「モンスターは、同時に何匹くらい出るの?」
「違う種類のモンスターと一緒に出る事は無いです。
同じ種類のモンスターだと、3匹まで同時に出る事はあります」
最大3匹を相手にする事になるのか。
なのに動き回れないってのは大変だなぁ。
こりゃ、遠距離攻撃出来る魔法使い有利だね。
このダンジョンは、MPと運の数値に気をつける必要がありそうだね。
中級魔法を覚えておいて良かったよ。




