ホウズキさんの質問
「まず最初に、君の親御さんは知っているのかね?」
「はい。話しました。父も納得したようで、2人は婚約者候補ではなくなりました」
へ~、理解のある親だな。
娘が納得しない結婚はさせないのか。
「では次に、親御さんは福田君の事は?」
「知っています。福田様の下に行きたいと言うと、賛成してくれました」
あれれ? 理解のある親じゃないぞ?
会った事も無い、ウワサでしか聞いていない他国の人間に嫁ぐ事を賛成?!
ただの親バカか?!
「親御さんは福田君の事を知っているのかね?」
「話はした事無いそうですが、見た事はあると言ってました」
いつだ? 王に謁見した時か?!
あの時は確かに多数の貴族のような人が並んでた気がする。
その中の1人に居たのか?
あの時は確か、いきなり王様から帝王と呼ばれて、敬語止めないとずっとそう呼ぶと言われて、結果フランクに喋ってたなぁ。
あれを見たなら、肝が据わっていると感じたのか、コイツバカだろと思ったかのどちらかだ。
この人の親は前者なのか?
でも、アレ見て、この人なら娘をやっても良いと思うか?!
「福田君のウワサも知っているのかね?」
「はい。私が言った後に、積極的に調べていました」
「それで問題無いと?」
「はい!」
「そこを詳しく聞きたいが、何が決め手だったか聞いてるかね?」
「はい」
おっと、確信に迫るようだ。
重要な部分だから、聞き逃さないようにしないと!
「父は、『多分だが、福田君は運が良いと思われる』と言ってました」
「……ほう。それで?」
「そういう人間は放っておいても何かを成し遂げる、と」
「ふむ。ココに居る女性二人との関係は言ってなかったかね?」
「言ってました。不義な人間は幸運から見放されると。
なので、お二人とも仲間であってそういう関係ではないと断言してました」
まあ、確かにコタニさんは護衛であって恋仲じゃない。
ナグラさんとの関係は、保護者と保護される者だし。
どちらかに手を出すとか考えた事も無かったよ。
それに、言っちゃ悪いけど、二人とも残念美人の区分に入っているし。
「福田君が何か隠し事をしているという疑いは無いのかね?」
「しているとは思います。でも悪い事では無いと考えています」
おぅ……。ホウズキさんも感じてるのね。
って言うか、もしかして皆感じてるの?
まぁ、隠し事と言っても、異世界人ですってくらいだけど。
それを言っても『何言ってんの?』となるだけだと思うなので黙ってるんだけどさ。
さすがにこの質問には、ナグラさんも眼を背けた。
同郷だもんな。
あっ、もう1個隠してる事があったわ。
アサイさんやイイクラさん達の事だ。
死者の管理とか言ってないな。
ICPOって事にしたんだった。
ま、知られたからって困る事じゃ無いけど。
「では、最後に聞こう。婚約とは早くないかね?」
「早くありません! 先週14歳になったんですよ!!」
最後に特大の爆弾発言ですかー!!




