有名の理由
受付の人に、何とか教えてもらった。
何故そんなに俺が尊敬されるのか。
まず大前提として、この国の事があった。
この国は他国に比べて小さく、これといった産業が無い。
だからこそ、魔法が発達した。魔法が大事な産業とも言えるのだ。
そういう状況の中で俺は他国の人間なのに、魔法を開発し何処よりも先にこの国に登録した。
これが一つ。
開発・登録したのはホウズキさんなのにさ。
孤児院で行った実験がバレた結果っぽい。
次に、王の事。
王様に敬語も使わずにフレンドリーに話している。
その上、王様から直々に俺が上級魔法を覚えに来ると伝えたらしい。
これが一つ。
だって王様がフレンドリーに話せって言うんだもん。
まぁ、皆はそれでも敬語で喋るらしいが。
最後に、人柄。
他国の外交官なのに、孤児院で子供と一緒に遊んだり、平民の冒険者を助けたり、といった事が知られてる。
どうもこの国に来る外交官は、小国とバカにしてるのか偉そうな態度のやつらばかりらしい。
これが一つ。
流れで外交官になった平民が偉そうにする訳ないじゃないか。
孤児院では遊んであげたというよりも、遊ばれたって感じなんだが。
冒険者を助けた? 記憶に無いなぁ。もしかしてテンプレの男女の事か?
とにかく、この3つの要素が絡み合い、俺=尊敬ってなったそうだ。
正に偶然の産物だわ。もしかしたら運が作用してる可能性もあるなぁ。
まぁ良い。嫌われてるよりは良い。
受付で中級魔法を覚えたいと言うと、走って持ってきてくれた。
ここでは本にはなってなくて、論文とか書類とかって感じ。紙の束だよ。
とりあえず1つを手に取ってみる。
何々、魔法の名前は『コールド』か。
次のページ以降は、理論やら証明やらが長々と書いてあった……。
はい、一気にヤル気が無くなりました。
え~、読んだら覚えられるようになってないのかよ~!
そう思いながらペラペラとめくってたら、最後のページにいつもの読めない文字の羅列があった!
おぉ! これを読めば覚えられるのでは!! これで勝つる!!
はい、中級魔法の『コールド』を覚えました!!
結局この魔法は「冷水を生み出す」らしい。
ふと気づいて周りを見ると、6人掛けのテーブルにちらほらと人が座っている。
だが、誰も読んで覚えている人はいない。
登録しに来てるって訳でも無さそうだし、調べ物してる感じでもない。
熱心に一つの魔法を読んでいる。
理由を受付の人に聞いてみた。
「あぁ、あの人たちも魔法を覚えに来ているんですよ」
「そうなんですか? でも何で最後のページを見ないんですかね?」
「普通はあのページは付いていませんよ」
「そうなんですか?!」
「はい、あれは『魔法の本』を作る為の物なんですよ」
「あぁ、なるほど。それならあのページは必要ですね。
あれ? でも何で俺にソレを渡したんですか?」
「福田様はお忙しいと思いまして。早く覚える必要があると思い、そちらをお持ちしました。
持ち出しは厳禁なので、この中でお読み下さいね」
そうだったのか。皆、あの難しい理論とかを読んで覚えるんだなぁ。
うん、有名で良かった。
昼までの2時間で、中級魔法はコンプリートしました~!!




