登場!!
ヒヨと団長との確執は放っておいてだな、後はモノアイって言うモンスターだね。
あぁ、ブッグフロッグのレアドロップも調べなきゃ。
そう考えながら進むと、広い場所に出た。
ここには四方八方に道があり、入ってきた場所も判らなくなりそうな所だ。
バビ○ンで有名な泥棒の3代目が、黄金の獅子像を持って崩壊から逃げてた場所に似てる。
まぁ俺にはマップがあるので、迷う事は無いけど。
そう思いながらマップを見てると、広場の中央に薄い灰色の点が現れた!
それは徐々に黒い点に変わっていく!
何事だ?! この反応は一体?!
な~んて驚く事は無いね。多分モンスターが発生する時の反応だと思われる。
違う色なら驚くけどね。黒い点ならモンスターだろ?
出てくるのはこの階に居る3種類のどれかだろう。
よく考えたらクロヒョウのドロップも調べてないので、どれでもOKだ。
カエルの子供とか出て「従魔にしますか?」って言われても困るけど。
そういえばブッグフロッグの子供って、ビッグオタマジャクシなのかな?
マップの点が大分黒くなった頃に、登場予定場所が光り出した。
光は最初は直径1mくらいの円だったのに、徐々に大きくなり今は直径15mくらいある。
この手の話だと、大きさに比例した物が出ると思うのだが、そんなにデカいのが出る階じゃないぞ?
もしかしたら、光の円がデカいだけで、小さいのが出るのか?
それとも、子クロヒョウが居るくらいだから、大クロヒョウとか居るのかも?
マップの点を押しても何の表示も出ないので、情報が無い……。
団長に聞いても「初めて見ました」って言うし。
光が一層強くなり直視出来なくなった時、ソレは円の中に現れた!
そう! ドラゴンだ!!
あれ~?! まだ21階だぞ?! どうなってんだ?!
中ボスなのか?! そんなの聞いてないぞ?!
光が収まると、目の前に居るのはやはりドラゴンだった。
よく見ると、足に包帯が巻いてある。
あの指は俺が攻撃した所だな……。
どうでも良いけど、どうやって包帯巻いたんだろ?
もしかしなくても、こいつはタローなのか?
「お前、タローって言われてるドラゴンか?」
「そうだ」
「お前、ココのダンジョンのボスだろ?!」
「そうだ」
「そうだ。じゃなくてさ! 何でココに居るんだよ!!」
「待てなかったからだ」
「待てなかった? えっ? そんなに俺に会いたかったの?」
「違う!!」
「じゃあ何だよ?」
「耐えられなかったからだ……」
「耐え……何?」
「ヒタヒタと自分に近づいてくるという焦り! 隠れたり逃げたり出来ない環境!
今度こそ殺されるのではないかという絶望感! この恐怖がお前に判るか!!」
「えー……」
何か俺が悪いみたいじゃないか。
人聞きが悪い事言うなよ。
なぁ、皆! と周囲を見ると、誰もが俺を見て引いていた……。
えっ?! 俺が悪いの?!
「おい! 俺は悪くないよな! なっ、タロー、そう言ってくれ!」
「あの毒を使った陰湿な攻撃……。あれ以来、毒がトラウマなのだよ……。
この階より下に出る毒持ちのモンスターは、マスターに頼んで全て排除してもらうほどにな……」
「マヂか……」
トラウマになってるとは知らなかったわ。
さすがにやり過ぎたか?
「引くわ~、ねぇコタニさん」
「さすがにヒドいと思うっス……」
おい、待て、そこの女性二人よ。
お前らも毒で動けないタローを攻撃してレベル上げしたじゃないか!
「おい! 何を他人事みたいに話してんだよ?!」
「「だって毒を盛ったの、福田さんですし」」
「ハモるな!」
「福田さん、ドラゴン相手に毒攻撃を?! さすが大臣に任命されるだけはありますな」
「団長! 納得しないで!!」
完全に俺1人が悪者じゃないか!




