21階へ
よ~く判った。
こいつはムカツク。
言葉が通じても、話が出来ない。
今も調子に乗ってダジャレを連発してるし。
「剣を振るのはいけん」
「盾は立てて使おう」
「ナイフは持って無いふ」
「石の意思」
「迷路は、姪六人と入る」
「ウゼーッ!!」
はあはあ、とうとう倒してしまった……。
聞いてると頭がおかしくなりそうだ。
周りを見ると、ミーちゃんは呆けていて、コタニさんとナグラさんは走って団長の方に逃げてる所だった。
くそ、相手をしてたのは俺だけかよ……。
一応倒したのでステータスを確認してみるが、レベルは40のままだった。
数が足りないのか、それともレベル40以下なのか。
ただ、もう検証したくない……。
そういえばと思い出し、ドロップ品を確認する。
落ちていた物は本だった。
手に取って題名を見てみると「サルでも判るジョーク集2」と書いてある……。
もしかしてノーマルドロップが1巻か?!
確かにゴミだ! 投げ捨ててファイヤーアローで焼いてやったわ!!
脱力したまま、ムカイ団長の元へと帰る。
「納得されましたかな?」
「……はい。あれはサーチアンドデストロイですね」
「それが正しい選択です」
「一つ質問しても良いですか? もしかしてノーマルドロップって1巻です?」
「……はい」
「……そうですか」
よし、出会わなかった事にしよう。
俺達はマップをしっかり確認しながら、先を急いだ。
黒い点は常にチェックしてモンスターの名前を確認だ!!
昼飯も食わずに進んだお陰で、14時には21階へ進む階段へ到着出来た。
21階の情報はこれだ。
・・・21~25階(遺跡)・・・
ビッグフロッグ
レベル45
デカい蛙。
体表面に流れてる粘液は、毒性がある。
唾液にも毒性がある。
攻撃は、長い舌での打撃と体当たり。
ノーマルドロップ「米」
レアドロップ「もち米」
クロヒョウ
レベル50
地球に居るのと同じ。
素早く、夜目が利くので暗闇に潜んでいる。
爪と牙で攻撃してくる。
ノーマルドロップ「トラの皮」
レアドロップ「ヒョウの皮」
モノアイ
レベル55
20cmくらいの目玉に、羽根と鳥のような足が生えている謎の生物。
まぶたが無いので常にドライアイだと思われる。
「おい、鬼○郎!」とは言わない。
足先に毒針が付いている。
目はカメラのフラッシュのように一瞬眩しく光る。
ノーマルドロップ「目薬(弱)」
レアドロップ「目薬(強)」
・・・・・・・・
そろそろ俺のレベルでは厳しくなってきた。
レベルアップには良いかもしれないけど。
運を確認すると130にまでなっていた!
きっとあのダジャレを一つ聞く度に、1づつ増えたのだと思う。
それくらいアレは不幸だった……。
まだ帰るには早い時間なので、22階へ進む階段までは行こうと思う。
遺跡の中はたいまつが壁にかけてあるが、薄暗い。
あちこちが崩れており、そこには光が当たらないので不気味だ。
モンスターが潜んでるような気がしてくる。
まぁ、マップで全て判るのだが。
進行方向に黒い点が一つだけ現れた。
タップすると、どうやらクロヒョウのようだ。




