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アリアリアリ

大量の黒い点。それはモンスターハウスなどではなく、全てがアリだった……。

その内の1匹を捕まえて聞いてみると、、、


「王様を一目で良いので、拝顔したかったのです!」


と素敵な笑顔で言っていた。

はっきり言って、ひじょーに迷惑である。


しかもこのアリ達は、「10階まで最短距離でご案内します!」と言って迷路の壁を壊し出した。

ダンジョンマスターの怒りに触れないだろうか?

それについて聞くと、「ダンジョン内に居るモンスターが壁を壊すのは問題無しです!」と内情を明かした。

そうかもしれないけどさ、言っても良いのかよ?

結果、一直線で階段までのルートが完成。かかった時間は10分ほど。迷路意味無し。


さらに困った事に、「10階まで護衛します!」と言って、近寄るモンスターを全て排除するのだ!

モンスター同士が戦うとドロップ品は出ないようで、リストとの照らし合わせも出来ない。

しょうがないので、各モンスター2匹づつは倒させてくれとお願いするとしぶしぶながら了承してくれた。

が、連れて来た2匹は瀕死の状態だった。

地面の石を蹴るくらいの蹴りで死ぬんだもん。逆に心が痛い……。


11階に向かう階段に到着したのは昼前という、脅威の記録を樹立してしまった。


まぁここまでは、まだよくある話かもしれない。

ラノベのチート持ちの話では、こういう事をしそうだし。

だが、俺の場合、ここからが問題だったのだ。


アリ達は11階以降には行けないように制限がかかってるそうな。

俺が下に行くと判ると、非常に別れを惜しんだ。

その結果、何が起きたかと言うと……サイン会である。


集まったアリ全員と握手をし、その後サインを書いて渡す。

俺はアイドルか?

しかも、どういう理由か判らないがナグラさん達までも参加している。当然アイドル側だ。

1匹を捕まえて聞くと、「王様が信頼されているお仲間の方々ですから!」との事。


ムカイ団長なんか、メチャクチャ混乱している。

そりゃモンスターにサインなんか書いた経験なんか無いだろう。

求められる事自体異常なんだが。


ムカツクのはミーちゃん。

新参者のクセに「いやぁ、私は福田君の右腕と言われてるからねぇ~」なんて言いながら、嬉々としてサインしてる。

いつ右腕になったよ? せいぜい手の指に出来た“ささくれ”程度だぞ?


コタニさんは既に思考を放棄したのか、流れ作業のようにやっている。

1匹辺り10秒握手して、サササッとサインして渡してる。

A○Bですか、貴方は?


1番アイドルっぽいのはナグラさん。

握手の時に、「これからも応援してね!」「私の事忘れないでね?」とか言ってる。

1人1人に違う事を言おうとしてるようだが、段々ネタが尽きてきたらしい。

中盤以降は、「サービスサービス!」「月に変わってオシオキよ!」「早く人間になりたい!」等、アニメネタに走り出した。

終盤には、「ボ・ボクは、オニギリが好きなんだなぁ」「だって人間だもの」等、どこかで聞いたフレーズになってた……。


集まった全てのアリと握手&サインをした結果、時刻は17時を回っていた……。

早く到着した意味が無い!!

ついでに言えば、昼飯も食って無いよ!!


一番ガッカリだったのは、ミーちゃんのレベルが1つも上がらなかった事だ。

結果、レベル5のまま11階に進む事になる。

ちなみに11~13階の情報はこれだ。



・・・11~13階(湿地)・・・


グラウンドクラブ

レベル10

1mほどの大きさのカニ。

ハサミで攻撃してくる。吐く泡は毒。

ノーマルドロップ「カニの足」

レアドロップ「カニミソ」


ビッグアメーバ

レベル20

アメーバの上位版。

ノーマルは体長30cmほどだが、これは1mくらい。

火に弱いのは同じだが、少々の火なら周囲にある水を使って自分で消してしまう。

ノーマルドロップ「食用油」

レアドロップ「エーテル(ポーションの劣化版)」


アリゲーター

レベル25

そのままワニ。

地球のよりも素早い。皮膚も堅く、安物の武器では歯が立たない。

ノーマルドロップ「ワニの肉」

レアドロップ「ワニ皮」


・・・・・・・・


……カニ以外が出ると、あっという間に死ぬんじゃないかな?

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