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4人組

俺達は、兵士の人達5人を連れてやっとダンジョンに入った。

……となれば良かったのだが、やはり予想された事が起こってしまったのだ。


「勇者様! お探ししました!!」


そう、あの時のナグラさんの連れがまだ居たのだ!

もう1ヶ月以上経つのに、まだ探していたらしい。

ちっ! 普通なら自国に連絡するとかしてるだろ? 命令出した王はもう居ないんだぞ?


「ささっ、勇者様。こちらへ」

「いや、行かないわよ!」

「おい、キサマら! 何をしている!」


そいつら4人は、無理矢理ナグラさんを連れて行こうとするが、ムカイ団長に阻まれた。


こいつら、事情を何も知らないのか?

あっ、判った! 密入国みたいに入ってきてるから、簡単に出られないんだな?

で、受けてる任務は遂行しないと、あの王の事だ。どんな罰があるか判らないってのもあって帰れないし報告出来ない。

だからナグラさんを探してたんだな?


まぁ、なんにせよ渡さないけどね。

俺はもめてる4人とムカイ団長の間に入る。


「まあまあ。双方落ち着いて。ムカイ団長、向こうの言い分も聞いてみましょうよ。

 そちらの方々も、落ち着いて事情を話してください。突然すぎて何も判りませんので」

「むう。まぁ福田さんがそういうなら」

「では話して下さい。勿論嘘偽りの無いように。

 ここに居るムカイ団長は、この国ニーベル国の騎士団団長です。

 嘘偽りを話し騙そうとしたら、不敬罪で逮捕されますよ?

 ほら、周りには兵士の方も居るでしょ? 逃げる事も出来ません」

「うっ……」


俺達の会話を聞いて、兵士の人達も集まってきた。

不振な4人組を警戒するように、囲んでいる。

中には抜かないまでも、剣の柄を握っている兵士までいるぞ。


「まぁ、嘘なんか言われないと思ってますから、問題無いでしょう。

 あっ、そうそう、私、この国の大臣をしている福田です。

 こちらのナグラさんの後見人をしています。

 ちなみに、嘘を見破る魔法道具を持っています。最近開発されたんですよ、便利な世の中になりましたよね~」


そう言って、ただのメモ帳とエンピツを取り出す。

向こうが喋った事を書きとめるだけだ。

で、最初から『技術』の『看破』を使っておいて、ウソの部分にだけチェックを入れる。

まぁ、『看破』を使わなくても、事情を知ってるのでウソは判ると思うけど。


ただ、何の事情を知らない4人は少し挙動不審になってきてる。

なんせウソは言えない。しかも兵士に囲まれてて逃げる事も出来ない。

襲い掛かる? ムカイ団長にボコられて終了だろう。


さあ、どうする?

4人の中でリーダー格であろう男がやっと話しだした。

ちなみにこいつがナグラさんを強引に連れて行こうとしたやつだ。


「その人とは同じパーティーでこのダンジョンに潜っていたのです。

 1ヶ月以上前になりますが、ダンジョンの罠にでもかかったのか、行方不明になりました。

 ずっと探していたのですが、今回の封鎖で外に出されました。

 聞くと中に居た者は全員出されたとの事。ならばと思い、出されたこの入り口で探していたのです」

「ほほぅ」


ムカイ団長は疑っているようだが、ここまでの話にウソは無い。

と言っても重要な事を言っていないだけなのだが。

そこを聞いてあげようじゃないか。


「なるほど。そういう事情ですか。

 実はある日、私の家にナグラさんが飛び込んできましてね。

 どうやらこちらの常識を知らない様子だったので、記憶喪失かと思い保護したのです」


そう言うとリーダー格の男は、うまくいったと思ったのか緊張が解けたような顔になった。

このまま返して貰えると考えてるのだろうか?


「ナグラさんの記憶を戻す為に協力してくださいますよね?

 ナグラさんを含め、貴方達はどこの国の方ですか?」


質問されて青ざめるリーダー格。

さぁ、何と答えるのかな?

薬指が使えないだけで、こんなに不自由だとは…。

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