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閻魔様からのお話

怒られタイムが終了したのか、俺にタブレットが返ってきた。

どうやら俺に代われと言われたようだ。

画面を見ると、どうやらイイクラさんは退出してるようで閻魔様だけが映っていた。


『非常に迷惑をかけた。すまない』

「いえ、もう良いですよ。気にしてません」

『先ほどイイクラとも話をしたのだが……少しの間で良いからそのバカを預かってもらえないだろうか?』

「は? 今何と?」

『そのバカには世の中の事を知ってもらわなければならん。

 だが、関係者だとどうしても気を使ってしまう。

 そこで福田君、君だ。聞けば勇者を改心させたのも君だという事じゃないか。

 その能力を信じて、そのバカを預けたいのだ』

「いやいや! 勇者を改心させたとかウソですよ!

 元々騙されてただけなので、真実を教えただけですって!」

『それでも信じない者は信じないだろう。

 真実を聞いて納得出来るのは、その時の状況や本人の考え方もあるだろうが、間違い無く君の実力でもある』

「そんな、買いかぶりですよ!

 それに、少々汚い手を使ってますし!」


ナグラさんの時は、ありえない状況に追い込んでの策だ。

ある意味洗脳と言っても間違いでは無いと思う。


『そういう手を使える事も重要なのだよ。

 今まで正攻法で矯正をしてきたが、一向に改善しないのでな』

「しかしですね……」

『何、ちゃんと報酬は用意する。

 そうだな。1ヶ月、1ヶ月ほど預かってくれ。

 それで報酬を出そう。勿論、食費等の経費は別で払う。どうだろうか?』


報酬云々は置いといてだ。はたして、俺で良いのだろうか?

それに一番の懸念材料がある。

それは、このミズウミって人はアッチの世界の人なので、俺の運が使えないって事だ!

危険な場所で、運を使って保護が出来ない。これはヤバいだろ?


「あの~、イイクラさんから聞いているかもしれないですけど。

 これからダンジョンに行くんですよ。それこそ、預かっている1ヶ月はダンジョンに居ると思います。

 それでは世の中の事を知る事が出来ないのでは?」

『それでもかまわないよ。

 人との会話や人々の生活、自分の事は自分でする、こういう事を学ばせたいのだから』

「それにですね、知ってると思うのですが、自分には運しかありません。

 それが作用しない人を連れてるのは危険だと思うのですよ」

『そいつが死んだらそれだけの男だった。そういう事だ。

 それに死んだ所で問題は無い。ここに戻ってくるだけだ。

 まぁ、死ぬ時に死ぬほどの痛みは感じるだろうが。それも勉強だ』


死者の行く所ですもんね。

死ねば強制的に帰るってだけですか。

でも死ぬ時の苦しみは味わうのか。しかも「それも勉強」って……。


結局、断りきれなくて引き受けてしまった。

閻魔様からの依頼なんて、断れないよね……。

よく考えたら、アサイさん・イイクラさん・閻魔様・ミズウミ、運の効かない相手ばかりじゃん!

断れる訳無いじゃん!



ちなみに閻魔様が提示した報酬とは……


1.所有している『技術』の底上げ

 新しいのは貰えないが、持っている『技術』のランクを3つ上げてくれるらしい。

 つまり、現在Dの物はAになるって事だ。


2.自分と仲間の上昇率増加

 今後、レベルが上がりやすくなるそうだ。

 ついでに『技術』も覚えやすくなるらしい。

 仲間は、俺が申告すれば増やす事も減らす事も可能。

 ただ、人数には上限があって、俺抜きで8人までだそうだ。

 現在はカンキジコンビ・コタニさん・ナグラさんの4人なので、後4人まで増やせる。


3.創造神との面会

 これが一番ヤバい報酬だ。

 この世界の創造神と会って話が出来るって事らしい。

 閻魔様は「ノリの良いヤツだから、少々の事なら聞いてもらえるかもな」と言っていた。

 俺が「道が曲がってて歩きにくいからまっすぐにならないかな~」とか言ったら実現するとか。

 逆に言えば、機嫌を損ねたら世界が終わっても不思議じゃないじゃん!

 恐怖以外の何物でもない。断りたい。

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