挙式
検証も終わり家に帰ると、カンキジコンビも帰っていた。
家は、そこそこの改装で終わらせるようだ。
もっとも風呂だけは付けてもらうらしい。
やっぱり風呂は大事だよな~。
後は家具を用意するだけだったらしい。
それもサガワさんが用意すると言い出したそうだ。
断ったが断りきれず、代わりに普通の物で良いですから!と言っといたんだってさ。
うん、それは無理だと思う。
家に行ったら、想像以上の物が用意されてると思う。
ま、丁度良いので新婚旅行の事を話しておこう。
結婚式とかもあるだろうしさ。
「二人に質問しても良いかな?」
「何でしょうか?」
「結婚式はいつするの?」
「う~ん、それなんですが……しなくても良いかな~と」
「えっ?! 何で?!」
「ちょっと想像してみてくださいよ。俺達が結婚式する時の参列者の顔ぶれを」
ん? 参列者?
え~と、多分だけどまぁウエダさん一家は確定だろ?
それから普通に二人の両親だよな。
他に? あっ、サガワさんとかタルーンさんは参加しそうだね。
「……大した事無いんじゃない?」
「いやいやいやいや! 誰を想像してますか?!」
「えっ? 二人の両親、ウエダさん一家、サガワさん、タルーンさん、って所かな~と」
「違いますよ! まぁその人達も出席するでしょうが。
そうじゃなくてですね! まずギルドマスターが来ますよね!」
「あぁ、王都の。うん、来るかもしれないね」
「それから、仲良くなったハズキ君も来るでしょう」
「そうだね。呼ばないのは可哀相だ」
「ハズキ君が来るなら、その親や祖父も来るでしょ!」
「あっ、あの王様なら来そうだよな……」
「そうするとヌマタ卿とネモト卿も参列されるのは確実です!」
「2トップか。来るだろうね。王様が来なくても来るかも……」
「お世話になったホウズキさんも呼んだ方が良いですよね?」
「そうだね」
「すると、ノートルダムの王様の耳にも入るでしょう。
もしかすると、一緒に来るかもしれません……」
所属するギルドのトップだけじゃなく、2カ国の王様が参列か~。
豪華だね~……ってレベルの話じゃないな!
「ただの冒険者にVIPが揃いすぎですよ!!
うちの両親が泡吹いて倒れますよ!!」
「た・確かにヤバいメンツだな……」
「なので、やらないって考えてます。
やらなければ、呼ぶとか考えなくて良いので」
「両親には?」
「報告だけしますよ」
おっと、これはチャンスだな!
「いやいや、待った!」
「何でしょうか?」
「折角だから、二人には新婚旅行に行ってもらう!
その時に二人の両親の所にも行って、直接報告したら良いよ!」
「「え~っ!!」」
そんなに驚く事かな?
「何と、今なら旅費も全て出ます!
場所は知らないけど、『門のシール』が近くにあるならそこまでの送迎までします!」
「だってこれからダンジョン攻略じゃないですか!!」
「ドラゴンのダンジョンは、あのタローというドラゴンがボスって事が判明しました。
ICPO?のイイクラさんの協力も得るつもりです!
なので、新婚旅行の期限は、ドラゴンのダンジョン踏破までです!」
「でも危険じゃないですか?!」
「タローのダンジョンなんぞ、トムさんが居れば大丈夫!!
多分、協力してくれるはずだ!!」
「でもですね……」
「いやね、ちょっと二人を働かせ過ぎじゃないかと思っててね。
そろそろまとまった休みを取ってもらいたいのよ。
良いじゃないか。たまには二人で旅行すれば」
「でも……」
「そんなに渋るとさ、カンダさんよぉ。
強制で夏双旅館に泊まってもらうよ?
好きな所に行ける旅行と夏双旅館に確定、どっちが良い?」
「判りました! 新婚旅行に行ってきます!!」
恐るべし、夏双旅館の力よ。




