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書類とサガワさん

俺達は見つからないように先に店を出た。

それからしばらくして、手続きを済ませたカンダさんが出てきた。

とにかく家に帰ろう。


帰る途中にホテルに寄り、ツバキさんにサガワさんに会いたいと伝えておいた。

こういう物件の話だと、専門家に見てもらった方が良いと思ってさ。

ほら、書類で見てもどんなのか判らないじゃない。

万が一、騙されてたらいけないしね。


家に着くと同時に、ホテルの従業員の人が走ってやってきた。

どうやら、サガワさんと連絡がついたようだ。

話を聞くと、1時間後にここに来るそうだ。

今は17時なので、18時に来るのか。

じゃあ晩飯も食べていってもらおう。

ただ、相手はお金持ち。

偏見かもしれないが、口が肥えてそう。

俺は慌てて王都の家に行き、ヒタキさんとメイドさん達を呼んできた。


材料は全て俺のマジックボックスから出す。

これで美味しい物を作ってもらおうと思う。

後はプロにおまかせだよ。

そこにヒタキさんは必要ないだろって? いや、もてなす為に呼んだのですよ。

もてなし方なんか知らないからね。ここもプロにおまかせだ。


1時間後という事なので、とりあえず皆は風呂に入る事に。

と言っても混浴ではない。

先に男二人が入り、後から女性陣が入る。

今日は時間が無いからしょうがなくだ。


風呂では、カンダさんのこれからの展望を聞いた。

これからも護衛をしていたい、それは結婚しても同じ。

福田さんと居ると面白いし、自分の世界が広がっていくから。

給料にも文句は無い、いや貰いすぎてるぐらいだと思っている。

等々。


こうやって面と向かって言われると恥ずかしいよね。

確かに世界は広がっていくだろう。だって普通に冒険者してたら城とか行かないもんな。

レベル200のトムさんなんかに出会ったら瞬殺されるだろうし。

しかし、給料の事を言われると微妙に肩身が狭いな。

だってニーベル国に押し付けてあるからなぁ。

正確には俺が払ってないんだよ。城から貰ったのをそのまま渡してるだけ。

だから、ある意味、俺はカンキジコンビに対して何もしてない。

何か、申し訳なくなってきたな……。


風呂から上がって寛いでいると、来客の知らせが。

どうやらサガワさんが来たようだ。


「お呼び立てして申し訳ございません」

「いえいえ、福田さんに呼ばれたのなら何処にでも行きますぞ!」

「ハハハ……あの~、ちょっと見てもらいたい物がありまして。

 俺達では良し悪しが判らないので、サガワさんに頼みたいな、と」

「私でお役に立てるのでしたら。それで何でしょうか?」

「実はですね。ココに居るカンダさんが、ガチャで家を当てまして。

 その家がどういう物か、契約は大丈夫か、等を調べて欲しいのですよ」

「おぉ! おめでとうございます!

 福田さんの周りは強運の方ばかりですなぁ!」

「いえいえ、何もせずに貰ったのですよ! 福田さんの名前の為だと思います!」

「いやいや、その福田さんから信用されている。そこは誇って良い事ですよ!」


相変わらずサガワさんは俺を何だと思っているのだろうか?

俺は新興宗教の教祖様じゃないんですが。


「では、拝見致しましょうか」

「あ、はい。これが書類です」


そう言ってカンダさんが書類を渡す。

するとサガワさんは、さっきまでの柔和な態度から変わり、鋭い目で書類を見始めた。

なるほど、これがツバキさん達が恐れるサガワさんなんだな?

確かに、この状態のサガワさんに仕えてると恐れる気持ちも判る。

何か、一つのミスも見逃さない!って雰囲気だもん。


サガワさんは10分程書類を睨み、いつもの感じに戻った。

どうやら審査は終わったようだ。


「結論から申しますと、書類に何の問題もありません」

「そうですか。良かったね、カンダさん」

「はい!」

「詳しい内容をお聞きになりますか?」

「「お願いします」」


俺達じゃ見ても内容がよく判らないもん。

サガワさんに解説してもらおう。

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