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壮大な罠

さて、今日は謁見の日だ。

昨日のうちに、従魔達には伝えておいた。

チョロやレイやガーには直接話したけど、トムさんとシロにはメールをしといた。

現在9時なので、召喚しよう。


まずはトムさんだ。

いつも間が悪いから、今回は9時に召喚しますと言ってある。

なので今日は失敗しないだろう。

ん? フリに聞こえる? 今回失敗ならトムさんのせいだから問題無いよ。

時間は伝えてあったんだからさ。


召喚により登場したトムさんは、何故か完璧な正装だった……。

何で?!


「ちょっと、トムさん! 何で正装なんですか?!」

「えっ、謁見するって言ったからじゃない!」

「いや、謁見はしますけど……トムさんは大使館の護衛ですよ?」

「はぁっ?!」

「えっ?!」

「だってメールで『明日は謁見です。護衛お願いします。9時に召喚します。武具を持ってきてくださいね』って来たわよ?!」

「そうですよ? 謁見に行くので、居ない間の大使館の護衛をお願いしたのですが。

 それに謁見に行くのに、武具持参なんて言いませんよ!」

「正装する事でしょ? 騎士は正装は武装だからね?」

「違いますよ! 大使館を守ってもらう為に武具を持ってきてもらうって事ですよ!」

「「……」」


うん、お互いに勘違いがあってすれ違ったようだ。

俺も悪いがトムさんも悪い。そういう事だ。そういう事にしよう。


がっかりしているトムさんは放置して、次はシロを召喚しよう。

シロは来てすぐにコネクトを願ってきた。

どうやら近衛アリは、従魔扱いになってるが召喚は出来ないらしい。

って事でシロの城と繋ぐと、武装した近衛アリが10匹現れた。


「5匹づつで護衛するから」

「うん。よろしくね」

「地中からで良いの?」

「できれば。可能かな?」

「大丈夫だよ。地面歩くと振動で誰か判るよ」


優秀だな。どこかの諜報員みたいだなぁ。

大使館を守る5匹を庭に連れて行くと、あっという間に地中に潜っていった。

すげぇ、どこに居るか、全然判らないわ!


「シロにはどこに居るか判るかい?」

「うん。1匹はそこに居るよ」

「えっ?! 全然判らない……。ちょっと実験してみても良いかな?」

「いいよ」

「じゃあ、カンダさんが歩いて行くから、後2歩って所でアクションを起こしてみて」

「判った。伝える」


現在、カンダさんにはどこに居るかは伝えていない。

その状態で、庭を自由に歩いてもらった。

シロが教えてくれた辺りにカンダさんが来た瞬間、地面から槍が飛び出してきた!

確かに後2歩って所だな! 怖い!

これ、どう頑張っても攻めて来れないんじゃないか?

しかも地中を移動するんだろ? 何匹居るかも判らない!

正に移動する罠って感じだ!


「あ・ありがとう。ところで、判別はどうやってるんだ?」

「触覚を土に触れさせてると判るの。攻撃して良い人といけない人は、今から判別する」

「どうやって?」

「1人づつ、ここを向こうまで歩いて」

「判った」


俺達と、大使館の職員さん達全員で歩いた。

これで良いのだろうか?


「大丈夫?」

「うん。記憶した」


どうやら、その人の歩き方やクセを記憶するらしい。

しかもそれをシロを介して、全部のアリで共有するのだとか。

無茶苦茶優秀ですね。

これを孤児院でもして、全員を把握するのだそうだ。


ただ、このままでは大使館や孤児院に用事があって来た人もアウトになってしまう。

それを打開する為に、門から玄関までの直線は免除しておいた。

やましい事をする人は門から入って来ないだろうし、門から入っても玄関に向かわないだろう。

孤児院でも同じ様にする。あの自由に出入り出来る庭には、施錠してもらう事にした。


これでシロ達は万全。

地中から孤児院に向かうらしい。

道知らないだろ? って聞くと、そこに向かうナグラさんの後を付いて行くそうだ。

歩く速度と変わらない速さで地中を進めるんですね……。

一応、コタニさんにも1匹付いて行ってもらう事にした。

後に合流すれば良いし。


これで防衛準備は万端。

後は俺とカンキジコンビ、そしてハズキ君の着替え。

正装するんだ。似合わないけど、しょうがない。

服は大使館の人に借りました。


ハズキ君の正装にはフードが無かった……。

しょうがないので、俺のマントの裏に隠れてもらう事になった。

この国の正装にはマントが必須だってさ……。恥ずかしいよ。


さ、9時半になったので、城に向かおうじゃないか。

勿論、向かうにはレイ付きの馬車で行くぜ!

あっ、ガーは呼び出したけど、特にする事は無かったので時計の中に戻ってます。

万が一城で襲われたら、すぐに飛び出してくれるように頼んである。

さあ、この壮大な罠に引っかかるかな?

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