校長先生
「あなたが福田さんですか?」
「はい、そうですけど……?」
何で俺? って言うか、何で知ってるの?
「お噂は聞いております。お会いできて光栄です!」
「は・はぁ……」
えっ? 何を聞いてるの? 何、コレ! 怖い!!
「今回はハズキ君の護衛だそうですね」
「はい。……ところでどんなウワサを聞いてられるのですか?」
「そうですねぇ……帝王とかですか?」
「それは忘れてください!!」
マジかっ! こんな所までその話が?!
そして、それを知っていて光栄とか言うって事は、この人ギャンブル好きだな!
「大変申し訳ないのですが、教室へは護衛の方は2人まで、しかも女性限定になっています。
なんとか調整していただけないでしょうか?」
「そうなんですか? う~ん、どうしようかな?」
「じゃあ私が付いて行くよ! 授業聞いてみたいし!」
「それじゃあ私も行くっス!」
「本当? じゃあお願いね」
ナグラさんとコタニさんが護衛をする事になった。
俺も聞いてみたかったのだが、女性限定ならしょうがない。
それにナグラさんなら他の護衛に負ける事は無いだろう。
あっ、一つ聞いておこう。
「従魔もダメですか?」
「従魔ですか? 小さいものでしたら問題ありませんよ。
当然、大人しくしている事が条件ですが」
「良かった。じゃあコタニさん、チョロを連れて行ってよ」
「判ったっス!」
「何で私に言わないの?」
「ナグラさんはイジめるからなぁ」
「失礼な! イジめないわよっ!」
いや、いつもイジめてますよ? 俺が何の為にパーカーを買ったと思ってるんだ。
チョロが一緒なら予想外の攻撃も防げるだろう。
学校内で襲撃なんか無いと思うけど、安全の為にね。
お決まりとしては、同級生の貴族が難癖を付けてきて魔法で戦う事になるんだけどさ。
アレはラノベだけだろうな。実際にそんな事になるなら、この学校の教育が悪い。
それに貴族だから許されるなら、こちらは王族だ。反撃しても文句は言われないだろう。
ナグラさんが「テンプレきたー!」とか言って、喜んで参加しそうなのが怖い……。
「では教室にご案内しましょう。福田さん達はすみませんが、ここでお待ち下さい」
「判りました」
まさかの校長先生が自ら案内とはね。
相手が王族だからだろうね。
ハズキ君達は、校長先生について出て行った。
5分後、校長先生は帰ってきて、俺達との会話を再開させてきた。
「福田さん達は、これからどうするつもりで?」
「魔法の勉強したり、中級の魔法の本が入手したいのですが」
「そうですか……あれは許可が無くては買えません」
「えっ! 困ったなぁ……」
「そうだ、こういうのはどうでしょうか?」
「どういうのですか?」
「この学校で教師をしていた者が居るのですが、年で引退しまして。
その者なら魔法の本も持っていますし、詳しいので色々話が聞けると思いますよ?」
「おおっ! 紹介して頂けるのでしょうか?!」
「はい。私にトランプで勝ったらお教えしましょう!!」
やっぱりギャンブル好きか!
校長先生がそんなんで良いのか?!
しかも校長室にトランプがあるのかよ?!
運を使いたく無かったが、さくっと勝って紹介してもらおう……。
仕事が忙しくて、1日2回更新が難しくなりました…。




