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告白

「王都である貴族から、そこにいるガキを連れて来いって依頼されたのが最初だ」


ハズキ君ね。

連れて来いっていう依頼だったんだ。


「その貴族が外交官の免許も持って来たので、利用してニーベル国に入った。

 まぁついでに路銀も稼がせてもらったがね」


盗賊してたのは依頼じゃなかったんだ。

ニーベル国内は監視が厳しいはずなのに、よく出来たなぁ。


「ニーベル国の中の貴族にも依頼人が居たからな。

 過去の依頼をネタに脅したら、警察に捕まる事も無く安全に盗賊してたぜ」


あぁ、あの国にもバカが居るんだね。

この情報はヌマタ卿とか喜びそうだな。


「後はお前らが通るのを待ってれば良かったんだが、俺は他の依頼が有って2・3日ノートルダムに戻ったんだよ。

 そしたら、その時に捕まったって聞いたんだよ」


丁度こいつがいない時だったのか。

確かに罠とかは優秀なのに、実際に居たヤツラは使いこなせてなかった感じだったもんな。

コイツが居たら、もっと苦戦してたかもね。


「国境を越える前に知ったので、慌てて戻るとまた貴族が来やがった。

 話が違うだろ、と言って依頼は失敗だと打ち切りやがったんだ」


連れて来いって言われてるのに誘拐しようとしてたもんね。

しかも、外交官の免許まで渡したのに盗賊までしてた。

そりゃ打ち切られるだろ?


「そしたら、他の依頼人も全て打ち切ってきやがった!

 あの貴族がバラしたに違いねぇ!」


そういう悪いヤツラって横の繋がりが意外にあるんじゃないだろうか?

そういうの良く聞くよね。ラノベだと、裏ギルドとかあったりさ。


「それで俺ら単独で攫う事にしたのよ。

 攫えば汚名返上になるし、ガキを盾に貴族も脅せる。一石二鳥だってな!」


打ち切られたのに執拗に襲ってきたのは、そういう理由があったのね。

敵わないとは思わなかったのだろうか?

あぁ、自分が居なかったから失敗したと考えたのかな?


「だが俺は、打ち切られた事での後始末に奔走してた。

 で、今回やっと合流出来たのよ!」


やっぱり自分が居ないから失敗してたと考えてたようだ。

これだけ失敗してるんだから気づけよ。


「やっと攫えると思ったら、部下はほとんど残ってねぇし、お前らは馬車から降りねぇし!

 どこで襲うんだ! ってなったんだよ!」


そうだよなぁ。まさか『コネクト』使って、毎日帰ってるとは思わないだろう。

馬車は危険だって事は聞いてるだろうし。

襲いようが無いよね。


「しょうがねぇから、人の少ないココで襲ったんだよ!

 まぁそれも失敗だったがな……」


うん、全部の話を聞いて判った事は……こいつらバカだろ。

諦めろよ! 俺はずっと依頼され続けてたと思ってたわ!

それに、何でここで決戦しようと考えた?!

待ち続けてれば、どこかでチャンスがあったかもしれないのに!


「そういう事か……

 で、そのノートルダムの貴族ってのは誰?

 何の目的で連れて来いって言ってた?」

「貴族の名は知らねぇ。代理の者がいつも接触してきてたからな。

 目的も聞かされてねぇし、聞く事もしねぇ。知っちゃあいけねぇ事もあるからな」


チッ! 一番重要な情報は無しかよ!

使えないなぁ。結局コイツら、ただ暴走してるだけだし。


「OK。聞く事はそれで全部だね。じゃあニーベル国に引き渡すわ」

「おいっ! 話が違うじゃねぇか!!」

「えっ? 渡さないとは言ってないよ?

 それに聞いた感じだと、ノートルダムに渡したら何かの伝手を使ってすぐに出て来そうじゃんか。

 ついでに、ニーベル国の貴族も気になるしね。ヌマタ卿に尋問してもらうよ」

「ぐっ……。だが、今から引き返すのか?」

「そんな事しないよ。極秘の技を使うさ。

 ただ、これを知ったら二度とシャバには出てこられないと思うけどね。

 まぁ、王族を誘拐なんてしようとしてたから、どっちにしろ出れないだろうけどさ」


そう言ってからネモト卿に『メール』をする。

それから『コネクト』を使ってボスを送ってやった。

観念してヌマタ卿の拷問、いや、尋問を受けてください。

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