ゲームブック?(前)
昼過ぎまで寝てたかったが、1時間で起こされてしまった……。
皆で検討したが、結局良く判らないから解説しろという事らしいです。
昼くらいまで我慢出来るだろと言いたいが、気持ちが判る部分もある。
例えば、昼に新発売のゲームを買ってきたのに、夜までしては行けないと言われたらどうだ?
しかも夜までヒマだとしたら? 自分ならイライラするだろう。
って事で、諦めて解説する事にした。終わってから寝よう。
「これはゲームブックって言われる種類のゲームだよ。いや、どっちかと言うとテーブルトークRPGか?
いや、どっちだろ? まぁいいや。
まずは全員の職業を決めるんだ。戦士・盗賊・僧侶・魔法使い・商人・遊び人・冒険者から選んで」
「何が違うの?」
「初期値が違う。まあまずは好きなのを選べば良いよ。慣れたら替えれば良いじゃない」
そう言うと全員、自分と同じ様な職業を選んだ。
キジマさんとナグラさんは戦士、コタニさんは魔法使い、ハズキ君は冒険者だ。
カンダさん? 御者してるよ?
それと、ナグラさん、貴方は遊び人じゃないでしょうか?
「ナグラさんはRPG得意だったんでしょ? それを紙と本ですると思ってくれたら良いよ。
全員レベル1から始めるからね。紙の項目全てに15って書いて。
項目は、HP・MP・攻撃力・守備力・速さ・運、の5個ね。
最後の経験値って所は0ね」
全員が書き終えるのを待つ。
「次に職業ごとに差を付けるよ。
戦士はHPと攻撃力に+10、魔法使いはMPと運に+10。
冒険者はHP・攻撃力・守備力・速さに+5だけど運に-5、って書いて計算して」
これで職業ごとの力の差が出来る。
「出来た? じゃあ後は冒険に出発するだけ。
じゃあ後はキジマさん、ヨロシク」
「いえいえ、初めてなのですから、福田さんが進行してください」
「えっ? いや、寝たいんですけど……」
「はい? 何でしょうか?」
「いえ、判りました……」
何だろう、このプレッシャーは?!
しょうがない、クリア後に寝るしかないな。
「後は、本に書いてある通りに進めるだけなんだけどさ……。じゃあ読むよ」
「どうぞ」
『貴方達はパーティーを組んで、ダンジョン攻略に出発しました。
ダンジョンを進むと、分かれ道に突き当たりました。
右に行く…P.5へ 左に行く…P.6へ 一旦休む…P.10へ』
「今は試しだから何ページへ進むまで読んだけど、本来は読まなくて良いから。
さ、相談して決めて頂戴な」
「まだ入ったばかりだから休まずに進むべきっス!」
「そうよね。入り口近くだもんね」
「ではどちらに行きますか?」
「ハズキ君はどっちに行きたい?」
「左!」
「じゃあ左で」
「了解」
『道を進むと狼が出てきました! 戦う? 逃げる?』
「当然戦うわ! でしょ?」
「そうっスね。まだ序盤っスし」
「「「「戦う、で!」」」」
「了解。
じゃあ誰か代表してサイコロを振って。偶数なら皆が、奇数なら狼が先制攻撃だよ」
「ここは冒険者の、あぁ本当の意味でのよ? キジマさんにお願いしましょう!」
「私ですか? 判りました」
振って出た目は6。皆が先制攻撃か。
「じゃあ速さが多い人から攻撃ね。誰が多い?」
「ハズキ君だね」
「1が出たらもう一度サイコロが振れる、6が出たら攻撃失敗、それ以外はその数字のまま。
戦闘で、これは共通だから。
じゃあハズキ君、サイコロを振って」
「えいっ!」
出た目は3だ。
「3が出たので、ハズキ君の攻撃力の20×3=60のダメージを狼に与えた事になる」
「おおーっ!!」
「ちなみに1の場合はどうなるの?」
「自分の攻撃力が倍になって、出た目と掛け算だ。今の場合だと40×3=120になるね。」
「なるほどね。狼はどうなってるの?」
「狼の防御力は50ある。なので60-50=10で、最終的には10のダメージを与えたね。
狼はHPが100あるので、残り90だよ」
「それはバラして良いの?」
「誰かが読んでるんだから、判っちゃうでしょ? いいのいいの。」
「そんなもんスか? 次はどうなるんスか?」
「次は狼の反撃だよ」
「全員が先制攻撃じゃないの?」
「順番だよ。でも先にやった方が有利でしょ? もしかしたら1人目で倒すかもしれないしさ。
さっ、ハズキ君はサイコロ振って。1~3は反撃を避ける、4~6は反撃を受ける。何が出るかな?」
「たー!!」
出た数字は5だ。反撃確定。
「反撃が来ま~す。もう1回サイコロを振ってくださいな。
食らうダメージの計算方法はさっきと同じね。ちなみに狼の攻撃力は10だからね」
出た数字は2だ。おお、最小ダメージじゃないか!
「2なので、10×2=20がダメージ値。防御力が……20か。
じゃあ20-20=0で、ノーダメージだったね!」
「そうやって戦うのね? で、私達が全滅するか狼を倒すまで続くのね?
判ってきた。 フフフ、なかなか面白いじゃないの!」
長くなってしまったので、後編に続きます。




