カチョーオン
扉を開けたら、また灰色の門が。
また転移かよっ?!
だったら上がって行かずにに移動したら良かったんじゃないの?!
後、転移ばっかりでゴールまで後どれくらいか判らない……。
しょうがないので、扉をくぐる。
移動した先は、何故かどこかの会議室。
しかもコンクリートで出来ている壁と、1方向には窓が。
窓の外は何も無いけどね。
部屋には全員分の椅子が用意してある。
そして、テーブルと椅子が別に1セット。
そこには駄菓子が置いてあり、横にはモニターのような板が1枚。
その前には、ゲーム機??
もしかして、これは……ゲームセ○ターCXか?!
誰かが課長をやれと?!
見た事がある人は判ると思うけど、クリアするまで多分部屋から出られないぞ!!
ゲームによっては12時間とかかかるんじゃないか?
これは過酷だろっ!!
「ここは私の出番ですね!!」
ナグラさんが立候補した。
まぁ入院中にゲームばっかしてたらしいからね。
じゃあお任せしようかな。
どうせ、俺かナグラさんしか出来ないだろうし。
「任せてください! 古いRPGから新しいRPGまでほとんど網羅してますから!」
「RPGなんか無いわ!」
「何で?」
「番組見た事無いのかよ! 有ってもせいぜいアクションRPGだわ!」
「あっ、アクションはダメです。RPG以外なら、パズルとかシミュレーションとかなら」
「パズルも多分、アクションパズルだと思うぞ」
「そうですか。……ではお任せします、福田課長」
くっ、やっぱり俺がやる事になるのか……。
あれは見るから面白いんであって、自分がやるものじゃないぞ。
後、課長って言うな。
言っとくけど、ちゃんと説明書は読むからな。
落ちる訳無いはずの目の前の穴に落ちたりもしないし。
椅子に座ると、モニターのような板にゲーム画面が表示された。
これはスーパーマ○オじゃないか!
これならプレイ経験があるぞ! ゲーム機は……フ○ミコンか。
せめて64が良かったなぁ。ファミ○ンは経験無いぞ。
まぁ64のマ○オじゃあすぐに終わらないけどさ。
やっぱりこれはエンディングまで行けって事だろうか?
そう思ってコントローラーを持つと、モニターにミッションが表示された。
『1-1を60秒以内にクリアせよ!』
良かった。簡単なやつだったわ。
これならすぐに出来そうだ。
スタートすると、右上に『TIME 400』と表示されている。
これが340以下にならない内にクリアすれば良いんだな。
まずはキノコを取って、と。これ普通に考えたら毒キノコだよな。色とか。
次は花を取って、星を取って走る。
旗に飛び移りゴール!
あっ、タイムは284だ……。
キノコとか取ってちゃダメなんだ。とにかく走り抜けないと。
「福田課長!」
「……何でしょうか?」
「何やってんですか、も~。しょうがない、私がやりましょう!
あっ、間違えた! ゴホン。1機やらしてもらってよかですか?」
ナグラさんが2度目の立候補だ。
多分、見てたらやりたくなったんだろう。
後、お前はADか? 博多枠か?
まぁやってみたらいいさ。交代してあげよう。
俺の代わりに座れば良いのに、わざわざ椅子を持ってくる芸の細かさよ。
ナグラさんはスタートと同時に走り出し、そして栗坊に当たって死んだ……。
「……もう1機よかですか?」
お前はMAXの人か?! これ見た人じゃないと判らないだろ?!
見てない人、スミマセン。
コントローラーを横取りして、すぐにクリアしてやったわ!
ナグラさんはまだやりたそうにしてたが、そんな時間は無い!
はっ! そういう罠なのか?!
皆を見ると、全員が興味ありそうな顔をしていた。
この世界、ゲームなんか無いもんな……。




