懐かしクイズ?
今気づいたけど、自分達以外の参加者は立候補者じゃない。
明らかに冒険者と思われる。
そして、何か判らないけど必死な形相をしている。
一応事情を聞いてみようか。
「すみません。どうして参加されてるのですか?」
「知らねーよ! ダンジョンを探索してたら、パーティーごと落とし穴に落ちたんだよ!
気づいたらこの状況だ! 1位になったら帰れるって言われたんだよ!
チクショウ! どうなってやがるんだ!」
うわー、可哀相。拉致られたのね……。
出来レースにならないように、1位になったら解放するっていうエサを与えてるし。
こりゃ必死になって回答してくるだろうなぁ。
真面目にやらなきゃ簡単に負けるかもしれないわ。
『第一問!
ゴーストのレアドロップ品は何?』
ダンジョンらしく、それ関係の問題が出題されたよ。
早押しはキジマさんが制し、「現金5000円!」と答えて正解した。
さすが! 虫嫌いの冒険者だけはあるね! えっ、褒めてないって?
『第二問!
グラウンドクラブの吐く泡は何?』
えっと、あぁ、美味しいヤツだ!
泡? 吐いたっけ?
そんな事考えてたら他のチームに答えられてしまった。
正解は「毒」だそうだ。
そうなんだ~。美味しいドロップするから倒しまくってたけど、案外危険だったんだね。
思い出したらヨダレが出てきた……。
また倒しに行こう。
『第三問!
「人食い馬車」と呼ばれているモンスターの正体は?』
おっとタイムリーな問題だ!
これは他のチームは判らないようだね。
ボタンを押したがっているハズキ君に答えさせてあげよう。
「スライムー!」
はい、正解です。
おお、喜んでいる! シロと一緒に踊り出しちゃったよ。
楽しそうで何よりだ。
その中に、いまだに俺の背中に張り付いているチョロも入れてあげないかい?
『第四問!
ニーベル国は建国何年?』
ハズキ君の国だね。
やっべ、全然知らないや。歴史は無理です。
ヒタキさんお願いします。
「863年です」
へー、800年か。長いような短いような。
歴史はヒタキさんに任せよう。
『第5問!
空気を無くす魔法は何と言う?』
魔法の問題出ました。はい、まだ覚えていません。
どのチームも判らないようだ。勿論俺のチームもだけど。
でも何となく判りそうだよな。
ちょっとナグラさんと相談してみよう。
「ナグラさん、ナグラさん」
「何? 今考えてるんだけど?」
「いや、魔法ってさ、ぶっちゃけ英語だよな?」
「へっ? どういう事?」
「例えば、明かりなら『ライト』、水なら『ウォーター』じゃん?」
「あ~確かに。穴を掘るのは『アース』だったわね。直訳だと地面だけど」
「これを応用したら、この問題判るんじゃね?」
「そういう事か! じゃあこの場合は……何?」
「おい、学生だっただろ?!」
「英語は苦手、もとい、入院してたから学校に行ってないの!」
「今、英語が苦手って言っただろ……」
「……気のせいよ。じゃ・じゃあ、あなたが答えてみなさいよ!」
「えっ? そう言われると……なんとなくはコレじゃないか? ってのがあるけど」
「それよ!」
まだ言ってねぇよ!
まぁいいや、不正解でも1段下がるだけだから、試しに言ってみよう。
「もしかして、バキューム?」
おおっ! 正解した!
へ~、そんな魔法あるんだ。って結構凶悪な魔法だよね?!
窒息死させるって事だろ?! 暗殺も可能じゃないか!!
これ、絶対上級魔法だわ……。
それぞれのジャンルが決まってきたね。
冒険者問題はキジマさんが、歴史はヒタキさんが担当。
俺は魔法担当になってしまった……。英語を言っただけなのになぁ。
消費魔力とか知らないぞ?
『第六問!
回復させる魔法の「リノベート」。
効能は、擦り傷・切り傷・やけど・しもやけ、もう一つは何?』
皆が一斉に俺を見る。
おい! 皆覚えてる魔法だろ?! なぜ俺を見る!!
カンダさんが本って言ってきた。
あぁ、そうか、魔法の本を見ろって事ね。
でも覚えてるぞ! オロ○インと同じだったからな!
「答えは、『あかぎれ』だ!!」
うん、正解だった。ありがとう、オ○ナイン! ありがとう、大○製薬!




