表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
245/949

時の運

壁から出て通路に入ると、壁は閉じてしまった。

ここからはまた迷路なようだ。

さっきの部屋で納得出来なかったので、今度は『最短距離で進みたい。でもなぞなぞは無しで!』と祈った。

もうあんなのは勘弁だ。

あぁ、ここから出たら、2トップの2人には何かお土産を買っていこう。

どっちが閃いたのかは判らないけど、助かった事には変わりないから。


迷路内にはモンスターは出ない。

ここは完全に隔離されているようだ。

安全に進めるのでありがたい。

運を使ってるのでモンスターが居ても大丈夫なのだが、警戒しながら歩くのは精神力を使うからね。


進んで行くと、またもや知力の扉があった。

ここに入れって事なんだろうな……。

なぞなぞじゃないのは判ってるが、クイズとかだったら発狂するかもしれない。

恐る恐る入ると、そこには懐かしのおもちゃがテーブルの上に置いてあった。

その横には説明の書いてある紙が1枚。なになに?


『これを下記のように並べてください。

 数字はスライドさせる事しか出来ません。

 制限時間は10分です。

 一つ目をスライドさせた所からカウンドダウンが始まります。


 1・2・3・4

 5・6・7・8

 9・10・11・12

 13・14・15・空白 』


そう、これは懐かしの15パズルだ!

空白を利用してスライドさせて行き、上記の完成形にするゲームだ。

現在は、


 6・9・1・12

 8・3・15・11

 10・2・5・4

 13・14・7・空白


となっている。つまり4を下にずらすか7を右にずらすか、でゲーム開始だ。

数字には溝があり、ひっくり返してもバラバラにならないように作ってある。

居るんだよな、出来なくてイライラしてバラバラにして完成形にするヤツ。

それが出来ないように、ちゃんと作ってある。

しかもこれ、テーブルに固定してあるわ。インチキはダメって事なんだね。


俺が挑戦しようとしたら、ナグラさんに止められた。


「これは私に任せてください!」

「いや良いけどさ、ちゃんとクリアしろよ? ネタに走るなよ?」

「私が何時ネタに走りましたか!」

「いや、いつもだと思うけどさ……」

「……気のせいです。このパズルは入院中にP○Pでやってました! 最短記録を持ってます! お任せあれ!」

「ちなみに何分でクリアしたの?」

「1分26秒です!!」

「早っ?! じゃあお任せするよ。ネタに走らずクリアしてくれ」

「一言余計です! 見てなさいよ!!」


ナグラさんは言うだけあって、凄い速度で完成形に近づけていく。

それを見ていたハズキ君は、ずっとスゲースゲーって言ってる。

そして俺を見て、帰ったら作って! って言ってきた。

あ~木で作れって事ですね。別に俺は木工職人では無いのだが。

まあ溝とか考えないで良いなら、俺でも作れそうだよ。頑張ってみるかな。


そんな事をハズキ君と話してる間に、ナグラさんは完成させてしまった。

クリアタイムは、なんと1分25秒!!

こんな所で記録更新させてしまった!! うわっ、凄いドヤ顔してるわ。ムカつく。


完成したパズルは白く輝き、そして消滅した。

するとまた目の前の壁が開いて、次へ行く道が出来た。


新たな迷路を進んで行くと『最後の試練』と書かれた扉に到着した。

ここまでパーフェクトでクリアしてきたので、多分俺達がトップだと思う。

これをクリアすれば優勝だな。よし、頑張ろう。


扉を開けて入ると、そこには台が一つポツンとある部屋だった。

さっきの知力の部屋よりも狭い。

正面の壁には入り口とは別の扉がある。あれが出口だろうか?

台の上には茶碗が一つだけ置いてある。

その上に説明の書いた紙が乗せてあった。


『最後の試練です。

 茶碗の中にはサイコロが1つだけ入っています。

 そのサイコロを振り、3回連続で1を出してください。

 サイコロが茶碗から出たらスタート地点に戻されます。

 振らずに置いたら失格になります。

 制限時間は10分です。

 成功すると、正面の扉が開きます。そこをくぐればゴールです。

 サイコロを持った時からカウントダウンが始まります。』


最後に『時の運』とはね。

でもさぁ、これって、多分余裕でクリア出来るよ?

それともこの部屋は『運力』の使用が不可能になってるのだろうか?

だとしたら手ごわいけど。でも、もしそんな無効化の技術があるなら欲しい!

その技術を俺の家に設置するのだ! そして遊びに参加させてもらうのだ!!


ちょっと期待してサイコロを振った。

……あっけなく3回連続で1が出たよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ