知力4
いやいや、3分もあるんだ。落ち着いて考えよう。
とりあえず、全員の考えを聞けば良いじゃないか!
「カンダさんから思いついたのを書いてみてよ!
お手つきは無しってなってるんだから、間違いでも問題無いし」
「判った。じゃあ……」
カンダさんは「歩いて」って書いた。
なるほど。確かに歩いて行かなきゃ突破出来ないよな。
『ブー』
うん、違うようだ。
次はキジマさんにお願いしよう。
「キジマさんは? 何か閃いた?」
「そうですねぇ……」
そう言いながら「全員の力を合わせて」って書いたけど『ブー』と鳴った。
違うらしい。
キジマさんは恥ずかしそうにしている。まぁ、確かにちょっとクサいセリフだよな。
「コタニさんは?」
「閃いたっス!」
おお! 期待できそうだ!
何を書くのかと見ていたら「他の人より先に進む事」って書いて間違えてた。
間違いでは無いと思うんだけどなぁ。
「ナグラさん、答え判った?」
「任せてください!」
そう言って「壁を壊して1直線に進む」と書いた。
当然間違い。この子はネタに走らなければ気が済まないのかな?
こうなったらヒタキさんに期待しよう!
「私ですか。……思いつきませんねぇ。捻った考えをするならば……」
捻った考え? 何だろう?
何を書くか期待して見てたら「入り口より出て、外を周って出口に進む」と書いた。
なるほど、捻った考え方だ。
確かに中を通れとは言われていない。だが、これも間違いだった……。
おいおい、全然簡単じゃないぞ!
こうなったら、子供の発想に期待しよう!
「ハズキ君は判ったかい?」
「頑張って進む、じゃダメ?」
「どうだろう? 書いてみようか」
書いてみたが、やはり『ブー』だった。
ヤバい。全然思いつかない……。
こうなったらトムさんを呼ぶか?!
いや、トムさんを呼んだからって解決する事じゃ無いだろう。
トムさんがバカだから、って言ってるんじゃないよ?! 違うからね!!
ヤバイ……残り1分になった!
こればっかりは運を使っても意味が無いな。
皆は思い付いたのを、書きまくっている。でも、いまだに正解はしない。
どうしたものか……。
あっそうだ!! じゃあ頭の良い人に相談すれば良いじゃないか!!
俺は慌ててヌマタ卿とネモト卿にメールを送る!
『こんな問題が出ました! <答えは簡単! この迷宮の突破方法は?> 思いつくまま書いたのですが正解しません!
答えが判りますか? 答えをメールしてください!!』
こっちのメンバーでは、もう手詰まりなんだよ。
早く返事を送ってくれ!
残り20秒になった時、ネモト卿から返信が来た!!
慌てて開くと、そこには一言『簡単』と書いてあった。
だから~、簡単なら答えを書いてくださいよ!
何で一言だけ『簡単』なんて送ってくるんですか!
ん? 答えをメールしてって送ったのだから、帰ってきたのが答えだよな?
えっ? それが答えなの?!
ナグラさんからペンを渡してもらい、ホワイトボードに『簡単』と書く。
残り2秒!
『ピンポーン!』
良かった、正解だったようだ!
でも、何で答えが『簡単』なの?
周りを見ると、唯一納得顔の人が居たので聞いてみる事にした。
「ヒタキさん、答えの意味が判ったんですか?」
「おや、判って書いたのでは無いのですか?」
「いえ、ヌマタ卿とネモト卿にメールをしまして。返信にそう書いてあったんですよ」
「おお、そうでしたか。それで答えの意味でしたね?」
「はい。誰も判ってないので、教えてもらえたらと」
「判りました。答えは問題に書いてあったのですよ」
「えっ?! どこに?!」
「ほら、<答えは簡単!>と書いてありましたよね? なので『答え=簡単』なのですよ」
……そういう事か。
納得したけどさ、、、納得出来ない!!
10問クリアしたので、問題が表示されてた壁が開き新しい通路が現れた。
そっちに進めという事らしいが……やっぱりあの答えは納得出来ないぞ~!!
もっとさ、こうさ、答えが判ったら「なるほど!」って心から言えるような問題にして欲しい!!




