体力&知力1
中に入ると、確かに迷路になっていた。
高さ3mくらいの壁で仕切られている。多分だけど、乗り越えたらダメなんだろうな。
すぐさま『出口までの最短コースを進みたい!』と願っておく。
これで迷う事は無いだろう。
勘を頼りに、左に行ったり直進したりしていると扉に到着した。
まさかもうゴール……なんて事は無いだろうなと思いつつ近づくと、扉に張り紙がしてあった。
『体力の間』
なるほどね。こうやって所々にこういう試練があるって事か。
これを突破しないと次には行けないんだな。
扉を開けると、そこには手すりの無い橋が1本だけかかっていた。
橋の下にはネットが張ってある。
横には立て看板があり、そこにはこう書いてあった。
『1人だけ渡る事。落ちた人は失格。落ちたら次の人が挑戦してOKです。
1人が渡りきれば、他の者が渡れる橋がかかります。
途中からゴムボールが飛んできて妨害します。』
今度はた○し城かよ?! ジブラ○タル海峡か?!
子供の頃、よく見てたわ!!
ナグラさんも見た事があるようで、私が行きますと立候補した。
大丈夫かな? ゴムボールに当たって落ちて、オイシイとか言ってお笑いに走らないよな?
そう思いながら見てたら、『瞬歩』を使ってあっという間に渡ってしまった……。
それで良いのか?! ゴムボールが1度も飛んでこなかったぞ?!
少しはグラグラさせて、ドキドキさせてくれよ!!
迷宮的には問題が無いらしく、ゴゴゴゴという音と共に壁沿いに道が現れた。
その道を使い全員で向こうに渡ると、またゴゴゴゴという音と共に道は消えてしまった。
先にはまた扉があり、開けるとまた迷路だったので『出口までの最短コースを進みたい!』と願った。
進んで行くと、またもや扉が。
今度は『知力の間』と書かれている。
開けて入るとテーブルが一つだけあり、その上にはホワイトボードとペンが置いてあった。
コタニさんがペンを持つと、正面の壁に文字が表示された!
『これから問題を10問出します。
1問に付き3分の持ち時間となります。
時間をオーバーすると、一つ前の「間」の出口に戻されます。
答えは全てホワイトボードに記入してください。
お手つきはありません。
準備がよければ、ホワイトボードにOKと書いて下さい。』
何? 10問なんて、今度はタイム○ョック?!
途中に「今、何問目?」とか出るの?
ここのダンジョンマスター、絶対日本人だろ!!
しかも結構な年だと思うぞ!! 微妙に古いテレビ番組ばかりだもん!!
そんな事を考えてる内に、誰かがOKと書いたらしくスタートしていた。
俺にも相談してくれよ!!
『問題!
6X+3Y=36
X-Y=3
XとYの値を求めよ!』
数学の問題が出てきた。いきなり連立方程式かよ。
まあ大して難しい問題じゃないけど。
X=3+Yにしてから代入して、6(3+Y)+3Y=36だろ?
展開して、18+6Y+3Y=36。で、9Y=18になるからY=2だ。
って事は、X=5でしょ。
ペンを受け取って『X=5、Y=2』とホワイトボードに書く。
するとどこからか「ピンポーン」という音がなった。
この程度の問題なら余裕だね。
正解すると、ホワイトボードに書いた文字は自動的に消えていった。
そして、壁に次の問題が表示された。
『問題!
1+2+3+4+5+6+93+94+95+96+97+98+99=?
?を答えよ!』
計算に時間がかかる問題だね。3分かけさせて時間切れにさせるつもりなんだな?
でも、この問題、前の数字と後ろの数字を足すと100になるんだよな。
だから6まで足すと600で、残った93を足して693が正解。
1分もかからないぞ?
これはコタニさんが閃いたようで、すぐにホワイトボードに693と書いていた。
さて、次の問題は何かな?
ちなみに次は3問目だぞ? いつ『今、何問目』って出ても答えれるぜ!




