所子のダンジョン
6日目。
はい、二日酔いです。
そんなに飲んでないハズなのになぁ。
ステータスにある毒耐性は仕事をして欲しい。
まぁ酒は毒物扱いじゃないんだろうけど。
って事で今日も休養。
さすがに女性陣も送り迎えしろとは言わなかった。
その代わり、今日はシロを可愛がるようだが。
従魔の主人である俺を放っておいて、シロを連れて服を買いに行った。
可愛い服を着させるのだろう。
女性の買い物は長いので、助かったとも言える。
ヒタキさんから二日酔いに効く薬を貰ってリビングに居ると、ハズキ君から魔法教えてとせがまれた。
しょうがないので、教えて無い生活魔法を教えようと思う。
「じゃあまずは『ライト』ね」
「はーい! どういう仕組み?」
「え~と、多分電気だよ、電気」
「電気って何?」
「寒い時に金属触ったらバチッってなった事あるでしょ? あれが電気」
「へ~。それで?」
「それを集めて電球を発光させてるんじゃない?」
「電球?」
「あ~……どう説明しようか……。バクダット電池とエジソン電球でも作るか?」
「えー! 何それ! 面白そう!」
「あっ、今日は材料が無いから無理。電気で光るってだけ覚えておいて」
「えーーー?」
エジソン電球は竹と針金、そしてコップがあれば出来るハズ。
バクダット電池はレモンと壷と、後は銅と鉄だったかな?
昔に、理科の実験でやった記憶だけどさ。
う~ん、二日酔いで頭が動かないや。
「次は『タイム』ね」
「もーう! ちゃんと教えてよ!」
「うんうん、今度ね。『タイム』はそのまま、時間が判る魔法だよ」
「これはどんな仕組み?」
「……電波時計?」
「??」
「多分この魔法を作ったノートルダムにでも設置してあるのかな?」
「ちゃんと教えて!」
「あぁ、ゴメンゴメン。詳細はナグラさんに聞くように! 以上!」
「えー?!」
ただでさえ二日酔いでヘタってるのに、難しい事を聞かれても無理です。
丸投げだよ、丸投げ。
さ、本を読んで覚えて頂戴な。
このままグダグダして今日は終了。
ナグラさんには怒られたけど。
7日目。
とうとう、この日がやってきました!
そう選挙の日です!
と、いう事で、朝から所子のダンジョンに来てます。
貰った小冊子には、ダンジョンの3階で昼から行うらしい。
何で朝から来たかというと、少しでもシロのレベルを上げておこうと思ったからだ。
シロは何とレベル2だったのだ! 何で立候補した?
いくらなんでもマズいでしょ。
少なくとも軍隊アリと同じレベル10にはしておきたい。
しかし、よく考えたら、所子のダンジョンって初めて入る。
前回は、この門のシールを設置した部屋に来ただけだったもんな~。
……あれ? ヤバくない?
シロのレベル上げしてる場合じゃないんじゃないの?
3階に行く為の階段を探さなきゃいけないじゃないか!!
いや、そもそも2階に行く道すら知らない!!
運を使えばたどり着けるけど、着くまでに何時間必要かも判らない……。
『降りる階段まで行きたい!』と強く願って、小走りで移動したよ。
出てきたモンスター? 基本無視か、カンキジコンビが瞬殺。ドロップ品も無視。
1時間で2階に行く事が出来た。同じ方法で、3階にも向かう。
3階には30分で行く事が出来た。階段が近くて良かったよ。
現在時刻は10時半。
さすがに受付の場所は、小冊子に書いてある。2階→3階の階段の裏側の穴だそうだ。
近くてよかった。また探すなんて事になったら時間が足りなかったかもしれない。
急いできたので、もう面倒になった。
このまま選挙を迎えよう。
シロには可愛さだけで突破してもらおう。
あぁ、従魔の主人も関係するなら、運で突破する手もあるな。




