表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
234/949

選挙

「選挙って、あの選挙?!」

『どの選挙?』

「落ち着いてください、福田さん。選挙って、人を選ぶ為に投票する選挙の事よね?」

『そう』


良かった~、キジマさんが繋がってて。俺だけだったらいつまでも質問しちゃってたよ。

って、選挙?! 何で?! 誰がこのダンジョンのセンターになるのか決めるの?!

CPD48とかあるのか?!


「何で選挙なの?」

『王が死んだから』

「王?」

『軍隊アリの王』


俺が混乱している間に、キジマさんが質問を続けていた。

気づくと皆が周りに居て、全員がシロの手を持っていた。

いや、違う。カンダはキジマさんと同じ手を持っている。チッ、リア充め! 蟻酸でも浴びてろ!


「王を決めるのに選挙をするのね?」

『違う。まず代表』

「あっ、判ったっス。このダンジョンの代表を決めるんスね?」

『そう』

「なるほど。で、その代表が王を決める選挙に出るって事か」

「じゃあ今から投票に行くのね?」

『違う。立候補』

「「「「えっ?」」」」


なんと! この子は立候補する気だったらしい!

こんな気弱そうなのに大丈夫なのか?! しかもその途中で俺の従魔になってるし!


「じゃ・じゃあシロちゃんは、王様になりたいのね?」

『そう。王になる』

「あっ違う違う。そういう時にはこう言うのよ。ゴニョゴニョ……」

『アリの王に、俺はなる!』

「アホな事、教えるな! このバカ勇者が!!」


またデコピンをプレゼントだ!

俺は両手が空いてるからな。両手で乱れ撃ちだ!! アタタタタタ!!


「……じゃあ今から立候補しに行くっスか?」

『そう。この先に受付があるの』

「で、向かってる途中に福田さんに見つかった、と」

『そう。怖かった……』

「可哀相に……。怖かったでしょう? よしよし」


キジマさんよ、俺を悪魔のように言うのはどうかと思う。

そして泣きながら頭を撫ぜているが、ソレ貴方の嫌いな虫系ですよ?

変わり身早いな、おい!!


「従魔になっても立候補出来るのか?」

『うん。むしろ有利』

「有利なんスか?」

『うん。後ろが強いと良い』


あぁ、後ろ盾の事ね。そりゃタダの1兵士よりも、強いのがバックに付いてる方が有利だよな。

でも俺なんかで良いのかね?


「福田さんでも良いのですか?」

『良い。強いのが見えた』

「強いのが見えた?」


キジマさん、さっきから扱いがヒドイですよ? 福田さん(でも)ってなんだよ!

しかし、どういう事なんだろうか? 何が見えたのだろう?


『シロ達は、ある程度見える』

「何が見えるんスか?」

『読めないけど、見えるの』

「どういう事だ?」

「見える? でも読めない? でも強さが判る? あっ! もしかして!」

「ん? 何か判ったの?」

「勘ですけど、福田さんのステータスを見たんじゃないですか?!」


なるほど!! 識字率が低いから読めないけど、数字は判るから「読めないけど見える」ってなるのか!

もしかしたらA~Eのアルファベットくらいも判るのかも。それなら強い弱いが判るね!

だからトムさんに怯えてたのか! キモいからじゃないんだね!


「納得だわ。それしかないでしょう。見た目は弱そうだもの」

「うん。キジマさん。俺に何か不満があるなら聞くよ?」

『主人、強いよ?』

「うっ! シロ~! お前はええ子や~!!」

『じゃあ撫ぜて』


いくらでも撫ぜてあげるよ。よしよし。

あっ、この子が居れば、ある程度『鑑定』が出来るんじゃないか?!

まあ文字を教えないといけないけどね。


色々理解出来たので、皆で選挙事務所に行く事にした。

そんな物まで用意してるとは、優秀だな、軍隊アリ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ