トリビア
翌日、筋肉痛は大分楽になった。
今日からは予定通り魔道の国へ向かうのだ!
と言っても国境近くまで来てるので、向かうと言ってもすぐに到着なのだが。
いや、向かう先は王都だ! 中級魔法やあわよくば上級魔法を手に入れる為に!
必要な書類は朝一番で騎士の人が城から持ってきてくれた。
国境も今日から開くらしい。
で、今は国境の門が開くのを待っている。
この間にハズキ君に『アースウォール』を教えてしまおうと考えている。
理論? 昨日色々考えたけど、諦めて寝たよ?
「門が開くまでにハズキ君には『アースウォール』を覚えてもらう!」
「うん!」
「よし! じゃあ本を読んで覚えよう!」
「えっ? 仕組みは?」
「何を言ってるんだい? まずは覚える事が大事だよ」
「だって前には仕組みを覚えてからって……」
「ちっちゃい事は気にするな! それ!」
「じゃあ本読むね」
「え~ワカチコって言ってくれないの?」
「……なにそれ?」
ちぇっ。ナグラさんに言えば良かった。
いや、若いから知らないかも……。
素直に読んで覚えたようなので、早速実践してもらう。
うん、ちゃんと土の壁が出来た。
「この魔法は、周りの土を集めて壁にするんだ。つまり土が無い所では使えないんだよ」
「へーそうなんだー」
「……うん、ソウダヨ」
「何でコッチを見ずに話してるの?」
だって自信無いんだもん。
確かに壁の周辺の地面は凹んでいる。これは壁を作るのに周りから土を集めた証拠だ。
だが、土の無い所で発動しないかと言われると、実践してないので判らない。
もしかしたら、どこからともなく土が集まってきて壁が出来るかもしれない。
いいんだよ、出来ないって事で。
「それでさぁ、この魔法はどうなってるの?」
「ハズキ君! 考えるな! 感じるんだ! ホアー! アチャー!」
「……今日はどうしたの?」
くそ! これもナグラさんにするべきだったか!
でもさっきのより古いしなぁ……。判ってもらえないってツラいよね。
とにかく、これで最低限は自衛出来るようになったと思う。
ちなみにファイヤーウォールとフリーズウォールは教えない。
危ないからね。
本当は治癒魔法を教えたかったんだけど、知ってるのが『回復させる(小)』の『リノベート』だけだからなぁ。
これって、オロナ○ン程度の効力なんだもん。薬買って塗った方がいいよ。
どうせこれも適当な事しか教えられないし。
多分人間の治癒スピードを上げるとかだと思うんだけどさ、治ろうとする事を教えるのが面倒だよね。
こんな事をしていたらやっと開門した。
何故か現在外交官なので、書類を見せるとほぼスルーだった。
魔道の国の国境でも同じくほぼスルー。
楽だね、外交官! そりゃ犯罪に走るのも判るわ。
さて、最終目的地は王都な訳だが、途中にも目的地はある。
ここから2日進んだ所にある、チップの村近くにあるダンジョンだ!
ここで新しい従魔を手に入れるのだ!
ギルドから貰った情報では、バシリスクとか居るらしい。
名前を聞いてピンと来たね! 猛毒があるとか石化させるとか言われるRPGでおなじみのヤツだ!
コカトリスとかっていう別名があるんだっけ? あれ? 別の種類?
まあいいや。とにかく、こういう強そうなのを従魔にしたい!
って事で、まずはチップの村を目指すのだ!
あっ、ちなみに、1階に居るトレントを倒すとサクラの木のチップが手に入るらしい。
それを利用して燻製業が盛んだそうだ。だからチップの村って言うんだってさ。
俺からのちょっとしたトリビアだ! ヘー、ヘー、ヘー。




