氷の説明
「魔法だけでなく、勉強は学校で行ってます」
「あっ、学校あるんだ」
「はい。7歳に入学し3年間ですね。ただ、ある程度裕福でないと通えませんが」
「へ~。何を教えているの?」
「主に算数と読み書きですね。それとダンジョンや獣についてです」
「そこで皆、ダンジョンや獣についてある程度の知識を得るんだね。今みたいな勉強は?」
「これは科学や魔法学という分野ですね。習いたい者はノートルダムに留学します」
「あ~なるほどね。一番発達してそうだもんな」
魔法と言えども科学や物理学からは逃げられないという事だ。
無からは魔法でも作れないって事なんだね。
この世界って前世の日本より発達してないと思ったけど、一部は進んでいるとも言えるな。
だって日本では異次元ってまだ発見されてないから。理論ではあるんだろうけど。
それを魔法を使って使用してるこの世界は、進んでると言っても良いだろう?
どこまで進んでるのか知りたくなってきたなぁ。やはり魔道の国には行かないとね!
「ハズキ君、覚えたかい?」
「覚えた! 見て、見て! ほら! 『ウォーター』!」
ハズキ君が魔法を使うと、ちゃんと皿の上に水が出た。
よしよし。次の段階に行ってもよさそうだな。次は明かりの魔法『ライト』かな。
って思ったけど、どうやって光らせてるの? やっぱり電気?
……うん、俺の知識じゃ説明は無理だわ。違うのにしよう。
水繋がりで『フリーズ』でいいか。
水を凍らせるだけだしさ。
「じゃあ後1つ覚えたら今日は終わりにしよう。次は『フリーズ』だ」
「うん! その魔法は何?」
「水を凍らせる魔法だよ」
「へー。どうなってるの?」
「え~と、水の分子が動くのを止めると凍るんだよ」
「???」
皆が「何言ってんの?」って顔になってる!
ヒタキさんまで「はぁ?」って顔になってるじゃないか!
どう説明したらいいんよ!
「詳しくはナグラさんが説明してくれるよ! では、ナグラ先生お願いします!」
「丸投げしてきたっ! ヒドい!!」
「教えてー、ナグラ先生!」
「くっ、しょうがありませんね……」
フフフ、子供の教えてには逆らえなかったようだな。
せいぜい頑張ってくれたまえ。
「えっと、岩を壊すと石になりますよね。石を壊すと砂になります。じゃあ砂を壊すと?」
「小さい砂!!」
「……うん、そうだね。それをさらに壊すと?」
「えっと、小さい小さい砂?」
「そうですね。それをもっとも~っと壊すと、分子っていう物になるんだよ」
「へ~」
「実はね、どんなモノでも小さく小さくしていくと、この分子って言うのになるんだ!」
「そうなの?」
「そうだよ~。水も同じで水分子って言うモノになるんだ。ブンシ君と名前をつけちゃおう!」
「ブンシ君は水1滴よりも小さいの?」
「もっとも~っと小さいよ。逆に言えば、このブンシ君が沢山集まると水になるの」
「じゃあさ、さっきの湯気がそのブンシ君だ!」
「あぁ、うん、そういう事かな……? まあいいや。
で、水の中ではブンシ君は動き回ってるの。遊んでるのかな?
でもブンシ君は寒いのが嫌いなのよ。寒くなるとね、皆で集まってくっつくの」
「寒くないように?」
「そう! そうやってくっついていくと塊になって、氷になっちゃうんだ」
「へー、じゃあ暖めてあげたら水に戻るね!」
「そう! よく判ったね~! 偉い偉い!!」
「へへへー!」
おおっ! 見事な話し方!
微妙に正しく無いけど、問題無いよ。詳しく説明するには基礎知識が足りなさ過ぎるしね。
なんとな~くで理解してもらえればいいでしょ。
「ブンシ君に「動かずにじっとして!」ってお願いするのが『フリーズ』って魔法だよ」
「へー、そうなんだー」
「あのう、最後の良い所だけ説明するのは、止めて下さいよ……」
「気にしない、気にしない」
どうせまたコタニさんとキジマさん、ついでにヒタキさんからも質問攻めされるんだから、ハズキ君はまかせておけって。
大人はナグラさん担当だから、ヨロシク!
理解したようなので、ハズキ君には『フリーズ』を覚えてもらった。
これで今日の講義はおしまい! 明日に備えて寝よう!
そこの大人4人も早く寝なさいね。1人は逃げたいようだが、3人に捕まってるし。
あっ、そうか。明日大変なのは俺だけか……。チッ!
適当な説明ですが、主人公達の記憶のみで解説してるのでそうなってます。
なので「間違ってるぞ!」などの指摘はしないで下さいね(笑)




