表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
215/949

水の勉強

風呂上りのハズキ君を捕まえ、魔法を覚えても良いと教えてあげた。


「ホントに?! やったー! すげー!」


大喜びだ。だが、勉強込みだぞ?

まぁ、俺達は読んだだけで覚えたけどさ……。


「ただし! ちゃんと勉強する事! 判ったか?」

「うん! 判ったよ!!」

「よ~し、じゃあまずは『水』から勉強しようか?」

「えっ? 魔法の勉強じゃないの?」

「魔法の勉強だよ? そうだな~、判りやすく言うと『水を知ろう!』って感じかな?」

「えー? どういう事?!」


俺が言った『水を知ろう!』にはコタニさんやキジマさんも興味があるらしく、皆部屋に帰らずにリビングに集まってきた。

おいおい、ナグラさんはどっちかというと教師側でしょ?

まあいいや。大人にも判る様に講義をしようかね。

キッチンに行って、皿を持ってくる。


「ではまずは、『ウォーター』!」


皿の上に魔法で作った水が入っていく。

ハズキ君はキラキラした目でそれを見ている。


「では、ココに居る全員に質問です! この水はどこから来たでしょう!」

「はい!」

「あっ、ナグラさんは黙っててね~」

「ヒドい……」

「貴方は判って当然でしょうが。判らない方が問題だよ?」

「まぁ、そうですけどね……参加したいじゃないですかー」

「君も教師側だよ。こっちで参加しなさい」


全部の答えをバンバン言われたら意味無いでしょ?!

当てる楽しみがあるから良いんだから。


「ハズキ君、判るかな?」

「えー? 魔法で作ってるんじゃないのー?」

「残念! ハズレです! 多分……」

「多分って事は確信が無いって事っスか?」

「しょうがないじゃないか! 俺だって詳しく知ってる訳じゃないんだから!

 多分こうなってるんじゃないかな~って予測だよ!」


そこに引っかからなくていいんだよ! そんなもんなんだ~で流してくれよ!


「ではキジマさん、どうですか?」

「えっ?! ……どこかから持ってきてるのですか?」

「おっ、半分正解だね! ではどこからでしょう?」

「川から!」

「ハズキ君、ザックリした答えありがとう。でももっと近くからだよ?」

「もっと近く? じゃあ水道!」

「もっと近く!」

「えー? 水なんか無いよー?」


皆も判らないって顔してる。

ヒタキさんだけは判ってるって顔をしてるな。って事は推論は合ってるのかもね。


「正解は……空気からです!」

「ウッソだー!!」

「じゃあ、実験しようか」


まあ、信じないわな。見えないし。

こういうのは実験で見せてあげるのが一番だ。

理科の実験とか、授業なのに面白かったよね。


テーブルの上にコンロとヤカンを出して、さっき皿に出した水をヤカンに入れる。

ヤカンをコンロにかけて待つ事しばし、沸騰して注ぎ口から湯気が出てきた。


「ハズキ君、これは何?」

「えっ? 湯気だよ?」

「湯気って水なんだよ」

「……本当に?」

「そうだよ。見ててごらん」


湯気にさっきの皿を斜めに当てる。すると冷えて水滴になった。


「本当だ! 水になった!!」

「ね? さて、よく見てごらん。湯気はどうなってる?」

「上っていって消えてるよ」

「消えてるんじゃなくて、空気と混ざってるんだ。という事は?」

「空気の中に水があるー!!」

「正~解~!!」

「じゃあ魔法は、さっきみたいに空気の中の水を集めてるんだ!」

「またまた、正解! 判ったみたいだね。じゃあご褒美に『ウォーター』の魔法を教えてあげる」

「ヤッター!!」


まぁ、教えてあげるとは言ったけど、実際は本を読むだけなんけどね。

いいんだよ、そういう細かい事は。

そんな事よりも、ナグラさんにコタニさんとキジマさんが質問攻めしてる事の方が重要だよ。

知らなかったんだ~。この世界ってどうやって勉強してるんだろ?

ヒタキさんに聞いてみよう。

魔法と科学について書きたかったんです。

次話もこんな感じですが、お付き合い下さい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ