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2トップに報告

あっ、そうそう、俺は聞きたい事があったんだ。報告よりも大事な事。


「ネモト卿は『メール』が使えるのですか?!」

「ええ。昔ノートルダムで勉強してまして。空間魔法を2つほど使えるのですよ」

「そうなんですか?! もう一つは?」

「マジックボックスです。容量はあまり多くないですけどね」


えっ? 無制限じゃないの?

三途の川で貰った物と違うのかな? この辺はイイクラさんに聞いた方がよさそうだ。


「じゃあ、俺もネモト卿を登録して良いですか?」

「はい。お願いします。ついでにヌマタ卿も登録してください」

「判りました」


これで2トップにもメールが送れるようになった。

特に相互通信が出来るネモト卿はありがたい。

でも、釘は刺しておかないとな。


「ネモト卿、王様に言われても変なメールは送らないでくださいね?」

「大丈夫です。一切送らないので安心してください」

「ワシは変なメールなんぞ、頼まんぞ?」

「いやぁ、ありがとうございます。安心しました」


ネモト卿が話の判る人で助かった。

途中誰かが会話に参加してきたが、無視だ無視。


「それで、『火急の問題』とは何なのだ? 何が起こった?」

「あっ、忘れてました。ヌマタ卿に相談する事があったんです」


無視された王様が、ハズキ君を抱きながら話しかけてきた。

そうだった、それを話に来たんだったよ。


「王都を出て、最初の宿場町に着くまでに盗賊が出まして。

 捕まえたのは良いんですが、盗賊のボスが変な事を言いましてね」

「そんな近くに盗賊が居るとは問題ですね……。しかし、変な事ですか?」

「自分はノートルダムに雇われている、と言うんですよ」


そう言うと、ヌマタ卿は考え込んでしまった。

おそらく、理解出来ないくらい難しい事を考えてるに違いない。

ただ、いつまでも考えられても困るので、先に用件を伝えよう。


「今、馬車と共に盗賊11人を置きっぱなしにしています。

 城の方で盗賊を回収してもらえませんか?」

「よかろう。早速向かわせるとしよう」

「何か異常にヌマタ卿を怖がってました。ヌマタ卿も行ってもらえますか?」

「良いだろう。おい、ヌマタ! お前も行って来い!」

「福田さんの要請なら、私も出向くとしましょう。それでは警察ではなく、騎士隊を動かしましょう」

「おい、ワシを無視するな!」

「何か言いましたか? 福田さんの言われた事を許可しただけの王よ。

 何か対策でも考えているのですか? 少しは考えてください。ハズキ様、こうなってはダメですよ」

「グヌヌヌ……」


今日もヌマタ卿の王の扱いがヒドいです。

悔しかったのだろう、王様は少し考えて発言してきた。


「しかし福田君よ。全員でここに来て良かったのか?」

「はぁ……。王よ、貴方ではないのですよ?

 多分、従魔を呼んで見張らせているはずです。あのケンタウロスが居れば問題ありませんよ」

「あっ、なるほど……」

「その少ない容量の頭でも、あの従魔くらいは覚えているでしょう? すぐに思い出しなさい」

「グヌヌ……」


俺の行動が読まれている。さすが軍師。

そして、可哀相な王様。

横を見ると、カンダさん達とネモト卿が話している。多分詳細を聞いてるのだろう。


王様の方に向き直ると、既にヌマタ卿は居なかった。

何時の間に出たのだろうか?!


「ヌマタ卿も同行しますし騎士隊が動くのであれば、2時間もしない内に現場に到着するでしょう。

 皆さん、報告ありがとうございました。夜には詳しい事をお知らせ出来ると思います」

「ありがとうございます、ネモト卿。じゃあ戻っても良いですかね?」

「はい、大丈夫です。ただ、夜にはまた来てもらう事になるかもしれませんが……」

「判りました。ではまた夜に」


ネモト卿も俺も、王様を無視である。

話し出すと長そうだからね。いいんだよ、王様は最終決定だけすれば。

ハズキ君を引っぺがして、俺達は馬車に戻った。

2時間ほど、ゆっくりしようか。

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