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言葉の罠

盗賊のアジトに入ると、ちゃんと全員縛られていた。

いや、一人だけ縛られていない人が居る。

そりゃそうだ。全員を縛って回れば、誰か1人残るのが当然だ。

その人はガーに踏みつけられた状態で、床に転がっている。

逃げないようにとの配慮だろうけど、見た目は今にも食べられそうな人だ。


「カンダさん、その人を縛っちゃって」

「了解しました」


ガーにどいてもらい、カンダさんが捕縛する。

これで全員が縛られた状態になった。

さて、尋問を開始しようか。


「この中で一番偉いヤツは誰だ?」


誰も喋らない……。

だが視線が集まる人物が1人だけ居た。

それはガーに踏まれていた人だ。


「あんたが一番偉いのか?」

「……」


そう聞いても喋らない。

あっ、さては逃がしてやったヤツから魔法道具の話を聞いたな!

どうしようか?

そういえば『技術』の『罠』だけどさ、言葉の『罠』も有効なのかな?

いわゆる引っ掛けって事だけど。

ちょっと仕掛けてみようか?


「よし、こうしよう。最初に捕まえたヤツは、約束だから減刑を願い出てやろう。

 後は……そうだな、ここで一番偉いヤツを最初に教えたヤツは、同様に減刑を願い出てやろう。

 ちなみに期限は今から5分間だ。ちなみに減刑が無ければ、死刑確定になるように言うからな」


さて、誰が言うのかな? と思ったけど誰も言わない!

以外にしっかりしてるなぁ。それともまだ逃げられると思ってるんだろうか?

しょうがない。第2弾に移行だ。


俺は適当に1人を選んで、隣の部屋に連れて行く。

そこで新たに尋問するのだ。

しかし今度は個人狙いで行く。


「さっきは誰も1番偉いヤツ、まあリーダーだな、を言わなかったから別室でやるぞ。

 リーダーが怖いのかもしれないが、ココは別室だ。喋っても判らないから安心しろ。

 そうそう、先着で3名だけ減刑を願い出てやろう。どうだ? 言うか? 早い者勝ちだぞ?」


まあ、当然言わないよね。

そいつを連れて元の部屋に戻り、違うヤツを連れて行って同様の話をする。

元の部屋は私語禁止にしておく。喋ったら切り捨てていいよとカンダさんに伝えて。


全員を別室に連れて行って、同様の話をしておいた。

さて、ここからが本番。

最初のヤツを別室に連れて行き、ウソの話をする。


「お前は運が良いねぇ。最初で良かったな。

 現在までに、1人が喋った。後2人までが対象なんだが。お前はどうする?」

「……ウソだね。誰も喋ってないはずだ」

「うん、別に信じなくてもいいんだ。残りは後2人という事実があるだけだから。

 それに1人から聞いてるから、別にお前は喋らなくても良い。好きにしろ」

「……じゃあ、何故後2人から聞くんだ?」

「確認の為だよ。減刑欲しさにウソを言ってる可能性があるだろ?

 残り2人も同じ人物を言えば、間違い無いって事になるだろ?」

「……」

「ダンマリなのか考えてるか知らないけど、俺は誰から聞いても良いんだ。お前じゃなくてもな。

 ……時間だ。さ、お前を帰して次のヤツを連れて来よう。そいつが喋るかもな?」

「ま・待て! 喋る! 喋るから減刑してくれ!」

「そうか。じゃあ減刑を願い出てやろう。早めに決断したお前は偉いよ」


こうして全員と話をした所、1人を除いて全員が喋った。

その1人とは? そう全員が言ったココのボスだよ。

ボスも判ったし、次はお宝の隠し場所を聞くとしよう。


ちなみに減刑だけど、刑が鉱山で30年なら3ヶ月くらいは減らしてもらえるように言ってやるつもりだ。

29年と9ヶ月は頑張って!

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