看破
忘れた人の為に説明しよう!
『看破』とは! えっと、メモメモ……あっ、あったあった。え~と、、、
『相手のウソを見破る事が出来る。嘘つきと戦闘になる場合は全ステータスが10分間2倍になる。』のである!
そうだった、思い出したよ。
つまりこれを使って尋問すれば良いハズだ。
ステータスが増えたらウソだって事だ。
あれっ? 良く考えると違うな。「戦闘になる場合は」って書いてる! どうやって見破るんだろう?
やはり実験の必要があるなぁ。
盗賊を捕まえたのは正解だったぜ!
「おい、お前達のアジトはあるか?」
「……」
黙るとか、予想外なんですけどー!!
喋ってくれないと、ウソかどうか判らないんですけどー!!
困ってると、キジマさんが動いてくれた。
「この人は、ニーベル国王と懇意にされている方です。素直に喋れば減刑してもらえるかもしれませんよ?」
「!! わ・判った! 喋る!!」
おっと~、俺が『技術』を使うよりも早く、キジマさんが『悪巧み』を使ってるぜ!
減刑なんてしてもらう訳無いけどな。「かもしれません」だから問題無し。
「もう一度聞く。お前達のアジトはあるか?」
「あ・ある! 大森林の中だ!」
……何も感じないし、ステータスも上がってない。
これは本当という事なのかな? それとも『看破』が使えてない?
次の質問をする前に、心の中で『看破』『看破』『看破』『かんぱ』『カンパ』と念じてみる。
……何か、お金を集めてるみたいに思えてきたわ……。
「大森林の中のどこだ?」
「この道をもう少し進むと、大きいクスの木があるんだ!
そこから大森林にまっすぐ入って行くと、タラの木がある!
そこから左斜め前に進むと古い家がある! それがアジトだ!」
心の中に何かモヤモヤする物が出た。
何て言えば判るかな? 嫉妬してるような感じ?
やだっ、この盗賊さん、浮気してるの?! って違う!!
多分、これがウソを見破った時の反応だと思う。嫉妬ではない。
ただ、ここで問題点。
一気に言われると、どの部分がウソなのか判らないじゃないか!
どうやって判別しようか?
あっそうだ! 前世にあった機械を参考にすれば良いじゃないか!
俺の事を、人間ウソ発見器と呼んでくれ!
「よし。確認するぞ? 俺の言った事が正しければ『そうだ』と言え! いいな!」
「? わ・判った!」
良し。実験再開だ!
「進むとクスの木があるんだな?」
「そうだ」
モヤモヤしない。
「そこからまっすぐ入っていくんだな?」
「そうだ」
モヤモヤしない。
「するとタラの木があるんだな?」
「そうだ」
モヤモヤしない。
タラの木ってどんな木なんだろう?
私、気になります!! 木だけにね。
「そこを左斜め前に進むんだな?」
「そうだ」
ん?! モヤモヤしたぞ!!
これがウソか!!
「おい、ウソを付くんじゃない! 今の『そうだ』の言い方はおかしかったぞ?」
「そ・そんな事は無い! 間違ってないぞ!!」
うん、またモヤモヤした。
やはりココがウソらしい。
追求しよう。
「本当は右斜め前に進むんだろう?」
「違う!!」
おっ? モヤモヤするぞ?! って事はこれが正解か。
「進むと古い家があるんだな?」
「そうだ」
ふむ。正しいらしい。
タラの木を右斜め前に進めば古い家があり、それがアジトなのね。
よし、急襲しよう!




