魔道の国へ向かう
翌日、さあ出発! しようとしたら、城に呼び出された……。
しょうがないのでそのまま全員で行くと、ネモト卿が出てきて武器庫に連れて行かれた。
そこの中央に山になってる武具、これを全部くれると言う。
何か、いらない物まで混ぜてあるような気がする。在庫処分か。
いらない物はタルーンさんが買うって言ってたので、素直に全てマジックボックスに収納した。
後で皆で吟味しよう。
用件はそれだけだったので、やっと出発出来た。
実は窓から王様とハズキ君の親が見てたらしい。
出発前に一目見たかったんだろうな。
多分王都の家には、毎日帰って来る事になりますけどね。
地図を見ると、とにかく西北西へ向かえば良いらしい。
来た道のりと逆の方向に進んでいく。
誰もが初めてこの国を出るので、皆ウキウキだ。
特にハズキ君は旅行自体が初めてだそうで、テンションMAXになってる。
あっ、ナグラさんだけは初めてじゃないよ?
でも、勇者時代はのんびり移動とかしなかったそうなので、楽しそうにしているので良かった。
このまままっすぐに魔道の国に行ったのでは面白くない。
なので、やはり当初の予定通り、途中にあるダンジョンに寄り道しながら進もうと思う。
そして、願わくば新しい従魔を手に入れたい。
願わくばなんて言ったけど、本当に願えば手に入るだろうね。頑張ろう。
まず、狙う先は、宿場町を2つ通った後にあるホウキ村にあるダンジョンだ。
このダンジョンは20階まであるそうだ。
まぁ俺には関係無い。従魔を探すだけなんで。
ホウキ村にもギルドがあるそうなので、そこでモンスターの情報を仕入れる予定。
ホウキ村までの道のりは、ずっと大森林沿いに続いている。
何故、危険な大森林沿いに作ったのか。
最初は放して作ってたそうだ。
だが大森林が徐々に広がり、結局道の横まで来たらしい。
道を移動させると、また大森林が広がるのでは? という考えで、今もこの道を使ってるそうだ。
道を圧迫してこないので、一応成功しているのではないのだろうか。
さて、今日の予定だが、いつものように宿場町で馬車を預け家に帰るつもり。
そこで貰った武具を出して、選定しようと思っている。
ナグラさんはどんな武具が好みなんだろう?
「私は両手剣を使ってました。でも重さは片手剣くらいでしたね。
『技術』では『盾技』や『槍技』を持ってますけど、やっぱり勇者は剣だなと思って」
まぁねぇ。物語に出てくる勇者が盾持ってタンクの役じゃ、かっこ悪いよね。
やはり勇者ってのは、自分の正義を振りかざして先の事を考えずに突っ込んでいくバカ……ゲフンゲフン。
いや、なんでもないです。
「さすがに移動中に武器無しはマズいと思うから、とりあえず俺のを使ってよ」
「いいんですか?」
「いいよ~。俺レイピアがあるから」
ナグラさんにミスリルの剣を渡しておく。
これでもしも獣に襲われても大丈夫だろう。
まぁ出る時に『宿場町まで獣に出会いませんように』と祈ったので、出てくる事はないだろうけど。
そんなのんきな事をしてたら、まさかの盗賊に襲われました。
祈り方、失敗です……。
くそ~、盗賊なんてある意味「ケダモノ」じゃないか! 獣扱いでいいだろうに!
運も使い方間違えると、不運になる事もあるんだねって、良い教訓になったよ。
えっ? 盗賊はどうしたって?
1人だけ捕まえて、後は皆で切り捨てたよ?
ナグラさんは対人戦をした事が無かったので、ハズキ君の守りをしてもらったけど。
俺はこの世界の常識を貰ってるから、問答無用で倒したけど。
さて、残った1人には重要な役目があります。
それは貰った『技術』の『看破』を使う実験です!
どこかの貧乳の大魔法使いは言いました。「悪人に人権は無い」と。
という事で、アジトを逆に襲いたいと思います!
この展開にはナグラさんも「テンプレきた~!!」と興奮しております。
ハズキ君だけが、若干引いていますが、これも人生経験だと思って諦めてもらおう。
皆さん、GWをどのようにお過ごしですか?
私は仕事です……。




