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内政トップ

ノックの音と共にやってきたのは、四角い眼鏡をかけ髪を7・3分けにしている神経質そうな人だった。

どうやらこの人が内政のトップらしい。


「お呼びだそうで、参上しました」

「おう、来たか。こいつがネモト。内政のトップだ。こっちは福田君とタルーン君だ」

「福田哲司です。よろしくお願いします」

「タルーンです。よろしくお願いします」

「私はネモトです。よろしくお願いします。で、何の御用でしょうか?」

「うむ。この度、福田君に褒美をやる事になってな。その報告だよ」

「褒美ですか?!」


ネモトさんは怪訝そうな顔をしている。

そりゃそうだろう。いきなりお金が必要な話だもんな。

お金を管理する人からすれば、寝耳に水な話だろう。


「何ゆえに褒美を与えるのですか?! 何も聞いてませんが?!」

「うむ。なんせ今初めて話してるからな」

「王様、そういう事は先に言ってもらわないと困ります! 財政も無限では無いのですよ!!」

「すまんすまん、許せ。だが、褒美は決定事項だ。何とかしてくれ」

「はぁ……判りました。それで何故褒美となったのですか?」


やはりそこを聞いてくるか。

王様は先ほど決めておいた事を、ネモトさんに伝えた。

ボロが出ないようにコッチをチラチラ見ながらの報告だったけどさ。


「なるほど。そのような事が影であったのですね。

 それが事実ならば、確かに褒美を与えるべきでしょう。

 しかし、それが事実とどうやって証明するのですか?」

「ヌマタに聞いてみろ。あやつは知っておる。ただし、他の者にはバラすなよ?」

「判りました。後で聞いてみましょう。それで、褒美はどのような物ですか?」

「おう。ちゃんと希望を聞いておいたぞ。

 『魔法の本・無の魔法石・武具・家・税金免除』だそうだ」


おお、覚えていたのか!!

マジメにやれば出来るじゃないか、王様!!

普段からこうなら良いのに!!


「魔法の本はどのような物ですか?」

「そういうのは本人に聞くが良い」

「えっと、初級の1・2は持っているので、それ以外でお願いしたいのですが」

「今、城には中級までしかありません。上級はそもそも持ち出し禁止ですからね」

「持ち出し禁止とは、どういう事ですか?」

「ご存知ないですか? アレを作っているのは『魔道の国ノートルダム』なのです。

 その国の王都から持ち出す事が禁止されています」

「そういう事なのですか。判りました」

「中級も城の物なので、渡す事は出来ません。閲覧と使用だけを許可しましょう」

「判りました。ありがとうございます」


そんな事実があったとはね。

じゃあいつか魔道の国に行かないと!

どこにあるのか判らないけど、そこはキジマさんに聞けば良いだろう。


「次に『無の魔法石』ですが、いくつ必要ですか?」

「え~と、貰えるだけください」

「それは良いですが、持てますか?」

「あっ、そうですね。え~と、、、そうだ! カジノの町に家があるのでそこにお願い出来ますか?」

「そういえば『家』も褒美に入ってますね。そこに届けましょう」

「ありがとうございます!」

「家は希望がありますか?」

「え~と、そうですね、タルーンさんの店の近くがありがたいですけど……」

「ふむ、考慮しましょう。政府が所有している物件から選ぶ形になると思います。

 税金免除は書状を作りましょう。後は、武具ですね。これはリストを渡します。そこから選んでください」

「リストから選ぶんですね?」

「ええ、城にある武具から選んでもらおうと思います。

 買って渡すとなると、お金がかかりますから……」


しっかりしてるなぁ。

さすが内政のトップ。と言うより、財政を管理してるからだろうな。

無駄遣いは許さないって事だな。

前世の日本の政治家にも見習って欲しいね。会えないけどさ。


「これで全てですね?

 では用意致しましょう。足りない資金は王様が負担してくださいね?」

「はっ?! 何故だ?!」

「ギリギリで言うからですよ! 予算編成も大変なんですよ!

 余分なお金なんて、元々無いんですから! 私の髪の事も考えてください!」


髪? 髪の事を考える?

ネモトさんの頭をじっと見てみる。

あっ、確かに少し薄いような……。

王様、休みを上げてください。で、「髪神温泉」にでも行ってください。

夏双温泉旅館はオススメしないけどね。

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