表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
186/949

捏造会議

別に俺は無茶な要求をする気は無いのだけれど。

それに褒美として、既に色々貰える事も確定している。

他に何か要求する事なんてあったかなぁ?


あっ! それよりも聞いておかないといけない事があった!


「王様、さっき『この間の事は自分しか知らない』と言ってたと思うんだけど、ヌマタ卿が知ってたよ?」

「ああ。サイラス国から入国してくるだろう勇者を捕まえるには、軍を動かすしかあるまい。

 それで配備を通達したら、理由を詰め寄られたのだ。それで、つい、な……。」

「つい、でバラして良い情報なのかよ? まああの人に詰め寄られたら喋ってしまいそうだけどな?」

「そうなのだよ! だからしょうがないのだ! それにあの者は信用出来る」

「まあ、いいけどさ。所で、今、ココにはタルーンさんが居るのだが喋って良いのか?」

「えっ? ……この者は知らないのか?」

「詳しくは何も話してないぞ?」

「そういう事は早く言えぃ! ペラペラと話してしまったではないか!」


ヌマタ卿にも、こんな感じで喋ってしまったと思われる。

少しの誘導で全部喋ってしまうとは、外交とか大丈夫なのだろうか?

王様は今、タルーンさんに全ての説明をして口止めをしている所だ。


「さて、もう一つの願いが決めたかな?」

「そうだった! う~ん、何にしよう……。もう面倒だから、後で決めるわ」

「今じゃ無いと無効だ!」

「え~? そんな決まり無かったじゃん!」

「今決めた!」

「……ヌマタ卿に相談するかな?」

「そ・そう思ったが、まあすぐに決まる物でもあるまい! 後でも良いぞ!!」


どれだけビビってるんだよ!

後でも良くなったからいいけどさ。


「その前に、2つ聞いてもらいたい事があるが、良いか?」

「ん? 何?」

「一つは、ワシの私室に『門のシール』を貼ってもらいたい。」

「良いけど、そのシールは自分で調達してくれよ?」

「ぐっ! まぁ、良い。そうしよう。登録してくれよ?」

「ああ、登録はさせてもらうよ。で? もう一つは?」

「さすがにあれだけの物を同時に贈るには、大義名分が必要なのだ。

 何か手柄を捏造させてもらうぞ。それで謁見の間で渡す事にさせてもらう」

「え~、面倒だなぁ……」

「大丈夫だ。お前は頭を下げた状態で『お受けします』とだけ言えば良いようにしておくから」

「う~ん、それなら良いか?」

「ヌマタは軍務のトップだが、内政のトップも居るのだ。

 その者に黙って大量の物は動かせん。今から呼んで話をするからな」

「今から呼ぶの?! だったら手柄の部分を決めとかないと!!」


その場で適当に話すと、絶対にボロが出る!

きっとそういう部分をヌマタ卿にはバレたんだと思う。

折角ココにはタルーンさんも居るし、皆で考えておくべきだと思うんだ。


「そうか? では何か良い案はあるか?」

「タルーンさんはどうですか?」


そう、提案はしたものの、俺にも考えは無い。

こういう時は第三者の意見を聞くのが良いのだ! 丸投げじゃないよ?!


「発言をお許し下さい」

「堅い! 堅いぞ、タルーンよ!! この場はフランクに行くのだ、フランクに!!」


いやいや、この国で産まれた人に王様にフランクに話せって言うのは難しいんじゃないか?

出会った時から緊張してたし。


「私は商売上、こういう喋り方ですので、お許し下さい」

「ふむ、そうなのか……。だが、遠慮はいらんぞ。何でも言ってくれればよいぞ!」

「ありがとうございます。

 それでですが、やはり全てウソでは必ずボロが出ますので、真実を混ぜるべきでしょう」

「なるほどな。ではどうするのだ?」

「やはりサイラス国を使いましょう。あの国が攻めてくる準備をしていたと。

 その事を福田さんが伝えてきた、というのはどうでしょうか?

 先ほどのヌマタ卿はそれを王様より聞き、戦闘準備をしていた事にします。

 そして福田さんは王様から密命を受けて、サイラス国へ行き混乱させて遅延させた。

 遅延どころか、戦争自体を止める程の混乱を成功させたので、褒美を取らす……いかがですか?」


さすがタルーンさん! 見事な作戦ですね。

何をしたのか聞かれたら問題だけど。そこは王様に聞かないよう制止してもらおう。


「ふむ。良い考えだ。それで行こうではないか。良いか?」

「了解したよ」

「良し。では呼ぶとしよう。さすがに居る前ではフランクに喋るなよ?」


そう言って王様は、扉の前に居る騎士に話をしにいった。

呼んで来るように伝えたのだろう。

さて、どんな人が来るんだろうね? 堅い人じゃなければ良いけどなぁ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ