褒美
しかし、褒美をくれると言うのはありがたい!
ココは貴族以外で何があるのかラインナップを聞くのが良いだろう。
「貴族は却下で。……しかしですな社長、他に何があるんすかね? ヘヘヘ」
「誰が社長だ! しかもいきなり揉み手で変な口調だし!
気色悪いからやめんか! 褒美無しにするぞ?!」
「いや、だってさぁ、全然想像がつかないから、何が欲しいって言われてもさ」
「そうだな。王しか知らない話だから、ワシの権限でどうにかなる事なら叶えれるぞ」
「それの範囲が判らないって事なんだけどさぁ……」
「むぅ。では色々言ってみろ。で、可能な事だけメモれ。そんでもって、その中から選べ」
「んな無茶な……。まあいいや。思いつくまま言うぞ?」
「おう、ドンとこい!」
この王なら叶えられる事か……。
とりあえず、自分のメモを見てみよう。
そこに書いてるしようと思ってる事が叶うかもしれない。
「魔法の本が欲しい」
「可能だ」
「車くれ」
「無理だ」
「『技術』くれ」
「イイクラに頼め!」
「カジノの町で『帝王』って呼ばれて困ってる。解決して欲しい」
「知るか!」
「無の魔法石が大量に欲しい」
「可能だ」
「『門のシール』くれ」
「可能だ。……お前、『コネクト』が使えるのか?!」
やべっ?! 勢いで言ってしまった!!
確かコレはヤバい話だったハズ!!
「おい! 聞いてるのか?! 『コネクト』が使えるのかと聞いてるんだ!!」
「えっと……『コネクト』は使えないよ? 門が繋げられるだけだよ?」
「それを使えると言うのだ!! お前、この国から出る事は許さないぞ!!」
「ちょっ!! それするならイイクラさんに言いつけるぞ!!『その人の行動の邪魔をしないように。』と言われただろ?!」
「ぐっ!! 確かに……。 しょうがあるまい。自由を許そう。
だが、貼った場所は申告してもらうぞ! さすがに把握しておきたいからな!」
「しょうがない。それは後で話すよ……
それよりも今は、褒美の話だろ! 続きだ続き!」
「むぅ。しょうがない。ほれ、言ってみろ」
ふう。何とか切り抜けたぜ。
後はうやむやにしてこの場を去らなくちゃな。
「えっと、それじゃあ……武具をくれ」
「可能だな。物にもよるが」
「従魔を増やしたい」
「……ギルドに行けよ」
「王都に家が欲しい」
「可能だ」
「色々な税金免除は?」
「何とかなるだろう」
「通行手形が欲しい」
「お前に渡した書状の中に入ってただろ? あれをそのまま使え」
「う~ん、他に何かあったかなぁ?」
段々ショボくなってきた。
思いつかなくなってきたのだ。
「とりあえずそんな所か? ワシが可能と言った物は何だ?」
「えっと、魔法の本・無の魔法石・門のシール・武具・家・税金免除、って所かな?」
「門のシール以外は全て褒美として与える。その代わり門のシールは諦めろ」
「マジで? じゃあ諦めるわ。あっ、ついでに王都での俺からの魔力吸収も無しで!」
「それは無理だ。自動的に0時に2ほど取られる。イヤならその時間だけ外に出るがよい」
「ちぇっ。お前のオークションの為に魔力をやるのはイヤなんだよな~」
「2くらい良いではないか! 前回悔しい目に会ったから、次の為に魔力が必要なのだ!」
「何だよ、悔しい目って?」
「相手の倍を入札して常に上回ってたのに、最後に持っていかれたのだ!」
ん? どこかで聞いた事のある話だな?
まあオークションでは良くある話だから、気のせいだろう。
「それで異世界の品を入手し損なったのだ! 今思い出しても腹が立つ!!」
「異世界の品?」
「そうだ。釣り糸と言ったかな?」
「あっ、その相手って俺だわ……」
「そうだったのか……決闘だ!!」
何で?! 褒美の話は?!




