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謁見

店に入るとタルーンさんが待っていてくれた。


「お待ちしておりました!」

「お待たせしました、タルーンさん」

「いえいえ。では早速行きましょうか!」

「えっ?! もう?!」

「はい。到着次第という事ですので」

「そ・そうですか……」


何て話しつつも、俺はタルーンさんの馬車に押し込まれていた。

そのまま乗って城へ向かう。

皆にはお店で、ナグラさんの武具を選びつつ、待っていてもらう事になった。

一応選んで店員には話してあるという事なので、良い物が見つかるだろう。


城へ向かう馬車の中で、タルーンさんにさっき思った事を話す。


「たしかに早すぎると疑われる可能性がありますね……」

「ですよね……どうしましょう?」

「……では福田さんは、『所子のダンジョンへ行く為に所子に居た』という事にしてください」

「それは良いですけど、それにしても早すぎないですか?」

「そこは大丈夫です。私の店がある場所へは、伝書鳩が飛びますから」

「伝書鳩! そのような方法を所有してたんですね」

「伝書鳩をご存知でしたか! 現在5店舗持ってますが、各店に10羽は居ますよ」

「それなら早くても不思議じゃないですね。でも書状はどうしましょう?」

「それはもっと簡単ですね。書状を持たした者を、所子に向かわせた事にすれば良いのです」

「あぁなるほど。通ってくる道が1通りしかないから、どこかで出会うという事ですね?」

「その通りです」


なるほどね。良い手だわ。

その内容で行こう。

俺は『メール』でキジマさんに内容を伝えておいた。

これでもし仲間に何か聞かれても答えられるだろう。

便利に『コネクト』を使っているが、こういう時は困るなぁ。

もっと考えて行動するようにしなきゃ。


城に到着するまで30分もかかった。

街中を行くので馬車がスピードを出せないって事もあるけど、城が遠いのだ!

城の周りには日本の城のようにお堀があるのだが、城は西洋風だった……。

なのに日本の城のように石垣の上に建ってる。何ともチグハグな感じ。


城に入る為のつり橋は上げられていたので、門番にタルーンさんが話をしている。

手招きをされたので、馬車を降りてタルーンさんの所に行く。

すると書状を求められたので提出すると、門番は確認をして返却してきた。


少し待つと門番が何かの合図を送ったのか、橋が降りて来た。

縄かと思ったけど、太い鎖で吊られているようだ。

馬車に戻り入城したが、100mも進むと降りるように言われた。

どうやらココからは徒歩らしい。

日本の城にも下馬する所が決まってたなぁと思い出す。


騎士が4人やってきて、ついて来るようにと言われた。

前に2人、後ろに2人。護衛にも警戒しているようにも見える。

これが普通なのか、それとも警戒されているのか、優遇されているのか、さっぱり判らない。

まぁ、判るようになるほど来たくないけどね。


複雑な道のりを進み、やっと謁見の間に到着した。

ここで帰れと言われても、帰れる自信は全く無い……。

攻め込まれた時の事を想定してるのだから当然だろうが、複雑すぎるだろう!

まあダンジョンの迷路でしたように、運を使えば帰れるだろうけど。


よくある感じの、大きい声で「福田様、ご到着!」とか言うかと思ったら、簡単に扉を開けられた。

で、中には貴族がズラリと並んでる! なんて事は無く、連れて来た騎士が4人いるだけ。

では、中で頭を下げて待ってるとゆっくり王が出てくるのかと思ったけど、普通に立ってれば良いとの事。

じゃあ、王が入ってくる時に「王様、ご入場!」とか言うと思ったら、「待たせた?ゴメンね」とフレンドリーに入ってきた。

う~ん、何だろう。想像以上に軽い……。

しかも、すぐに「ここじゃアレだから、別室行こうか」って言われた。

で、お供も連れずに王様の案内で近くの応接室のような部屋へ。

豪華なソファとテーブルがあるが、「座って座って」という軽い王様の勧め。

そして王様が自らお茶を入れて持って来た。

うん、軽すぎるだろ!! これで良いのか、この国?!

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