隠し…
道すがら、キジマさんにファントムの説明をしてもらった。
ファントム
レベル25~40
ゴーストの上位。
ゴーストが定数の敵を倒すと昇格すると言われている。
取り付いているモノが無くなるので、エンチャントされた武器か魔法でしか倒せない。
だという事だ。
うん、ヤバくないか?
ガーに聞いてみると、自分と同じだと言って来た。
どうやらガーは、従魔になった時にファントムにレベルアップしたらしい。
それでファントムの気配が判るようになったそうだ。
そういう事は早く言って欲しい。
ガーについて歩くと、ダンジョンのある小山に沿って移動してるようだった。
見た目と歩いた感じから、小山の周囲は1kmくらいだと思う。
小山の裏側は大森林と呼ばれる森と隣接していた。
大森林とは……
カジノの町も隣接している巨大な森。
中にはモンスターではなく、獣が存在している。
奥に向かうほどに獣が強くなっていくので、危険な森とされている。
伐採等を行うと、何故か猛獣が大量に現れる『発生』という事が起こる為、禁止されている。
『発生』に備える為、カジノの町や所子の町は城壁がある。
誰も最奥まで行った事が無い。
という情報をキジマさんとコタニさんから貰った。
って事なので、このダンジョン付の小山も裏が隣接してる為に、誰も近づかないのだろう。
何故なら突然木々が増えたからだ。非常に歩きにくくなった……。
かといって木を切る訳にもいかない。伐採と認定されたら『発生』が起きる可能性があるから。
誰が認定するんだ? って話ではあるが。
木々を掻き分けながら進んでいくと、やっとガーが止まった。
どうやらダンジョン入り口の丁度真後ろの辺りのようだ。
こんな所にファントムが?!
そう思ってると、枯葉や枝を前足で払いだした!
おいおい、大丈夫か?
警戒していると、山の斜面に中腰になれば何とか入れそうな穴が出てきた。
この奥にファントムが?
人が1人づつしか入れないぞ? 戦闘なんて当然無理。
そんな俺の考えを無視するかのように、ガーは穴の奥に入っていった。
俺達は呆然とそれを見守るのみ。誰も入ろうとはしない。
5分くらいすると、穴からガーが帰ってきた。
「中に居たファントムは倒した。ついて来るが良い」
そうは言っても、入りたくは無い。
躊躇していると、ガーが俺の背中を押してくる。
皆を見ると、自分では無かったからか安心した顔をしている。
くそっ! 俺が入ったらガーに皆を迎えに行ってもらおう!
明かりを灯す『ライト』の魔法を唱えてから、穴に入る。
狭いので、ヨチヨチ歩きでしか進めないが何とか3mほど進むと突然広くなっていた。
5m×5mくらいで高さは3mくらい。
これならばと思い、ガーに他のメンバーを呼んでもらう。
その間に壁のアチコチに『ライト』の魔法をかけてまわった。
ほどなく、全員がこの部屋? に集まった。
「この部屋みたいなのはなんだろうね?」
「ここから何処かに続いてるんじゃないっスか?」
「さっき明かりを灯す為にウロウロしたけど、他に穴は無かったよ」
「食料の保存庫ですかね? 日本でも昔はそういうの無かったですっけ?」
「え~と、雪室とか? それにしては入り口が狭くない?」
「ファントムが居たぐらいなので、ダンジョンだと思いますが」
なるほど! 確かにモンスターが出るならダンジョンの可能性があるね!
って事は正面のダンジョンと繋がってるのかな?
「それなら隠し扉とかあるかもね? ちょっと探してみようか」
今度は全員で壁を調べる。綺麗な長方形の形をした部屋なので、怪しすぎるもんね。
壁を叩いたり、切れ目が無いか触ったりしてるとコタニさんが何かを発見した。
「この壁が怪しいっス!!」
コタニさんがそう言った壁は穴から真正面の壁だった。
軽く叩いてみると、たしかに向こうが空洞のような音がする。
皆でその周辺を探ると、足元に小さな穴があるのが判った。
穴を覗くと、何かボタンのような物が見えた。
レイピアの鞘で押すと、ゴゴゴゴという音と共に先ほどの壁が割れていく!
その先には2m×2mの小さな部屋? があり、その真ん中には台座の上に何かが置いてあった。
それを見たナグラさんが突然叫び声をあげた!
「これ! ダンジョンコアですよ?!」




