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技術の話

「えっと、ICPOだったっけ? そこには『技術』を強制的に覚えさせる事が出来る魔法があるんだ」

「何で協力してた組織の名前が疑問系なんですか?」

「ん? そんな事は良いじゃないか! それよりも好きな物が1つ貰えるんだぞ?!

 自分の欲しい物を考えなくていいのか? 俺が適当に選んじゃうぞ?」

「適当はイヤっス!! ちゃんと考えるっス!!」

「昔、『技術』のリストを貰ったから、ちょっと取って来るよ」


そう言って、部屋から逃げ出した。

やべぇ。適当な事言ってしまった……。

自分の部屋に戻り、慌ててイイクラさんにテレビ電話をする。


「イイクラさん、エマージェンシーです!!」

「えっ?! 緊急事態?! 何か勇者にありましたか?!」

「いえ、カクカクシカジカで、俺が3つ貰う予定だったのですが、全員に1つづつにして貰って良いですか?」

「脅かさないで下さいよ。そういう事ですか。閻魔様と相談してみますが、多分大丈夫でしょう」

「本当ですか?!」

「はい。皆さんにも協力してもらいましたから。何よりも素早い解決でしたので助かりましたから」


解決が早かったのは、たまたま勇者が近くに居たからなんだが。

まぁ、それも運が作用したという事にしておこう。


「じゃあお願いして良いですか?」

「はい。承りました。

 ただし! 福田さんには今回は無しという事で良いですか?」

「えっ?! 何故?!」

「福田さんは『閻魔様の加護』を貰えるからですよ。

 『閻魔様の加護』を受けると、『力系の属性』と『耐性系の属性』と『技術』がそれぞれ1つ増えます。

 自動的に『技術』が1つ増えるので、もし1つ貰ったら2つ貰った形になりますよ?

 バレたらマズくないですか?」

「……そうですね。止めておきます。

 それにしても『閻魔様の加護』って、そんなに強力なんですか?!」

「はい。内容については秘密です。受け取ってからステータスを確認して、驚いてください」

「わ・判りました。よろしくお願いします」


良かった~。引き受けてもらえた!

これで冷たい視線から逃れる事ができたぜ!


前にアサイさんに貰ってたリストを持ってリビングに戻ると、皆が真剣に話し合ってた。ちょっと怖い……。


「あっ! 福田さん!! リ・リ・リ・リストは! リストはありましたか?!」

「あっ、はい。これです。どうぞ。」


切りかかるような勢いでカンダさんが来たので、思わず敬語になってしまった。

リストを差し出すと、次の瞬間には俺の手から消えてテーブルの上にあった……。

こんな時に『瞬歩』を使うなよ! どれだけ楽しみなんだよ!


「そういえば、閃いたっス!」


今度はコタニさんが何か言いたいようだ。


「もしかして、アサイさんもICPO所属なんじゃないっスか?!」

「そう言われれば……」

「あ~、その通りですよ」

「やっぱりそうなんっスね! じゃああの普段の姿もバレないように演技してるんスね!」

「「お~、なるほど~」」


いやいや、カンキジコンビよ。感心しているが、それは勘違いだ。

あの姿こそ真の姿だ! 働いてる姿の方が偽りなのだよ!!

俺はこの事についてだけは妥協出来なかった。

30分くらい、アサイさんのダメさを必死に伝えてしまったよ。

そしたら皆は判ってくれたようだ。良かった。これで俺は満足だ。いい仕事したぜ!



皆、あ~でもない、こ~でもない、と考えてるけど、俺は一つ気になった事を聞いてみた。


「そ~言えばさ、ナグラさんって15個も『技術』を持ってるんだよね? 何を持ってるの?」

「よく知ってますね?! えっと、恥ずかしながら攻撃特化です……」


ナグラさんは、ステータスを見ながら書き出してくれた。

『剣技』『盾技』『槍技』『弓技』『短剣術』『斧技』『ナイフ術』『ハンマー』『投擲』『刺突』

『片刃』『棍術』『二刀流』『鞭技』『瞬歩』

うん、見事に武具を使った攻撃に特化した技術ばかりだね……。


読んでも判らないのもあるので、リストで確認してみた。

・『ハンマー』鉄パイプや棍棒やウォーハンマーを使うのに必要な技術。

鉄パイプってなんだよ! ヤンキーには必要な技術ってか?!

・『刺突』レイピアなど、刺す系統の武器で使用。浮気した恋人を刺すのに必要。

何か怖い説明が付いてるし!!

・『鞭技』鞭を使った攻撃。女王様必須。

この女王様は違う女王様だろ?!


このリスト作ったの、アサイさんだろ!!

技術を考えるのが大変です…。

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