いざハガタの町へ!
帰ったついでにアサイさんに伝言を伝えておいた。
「イイクラさんから伝言だよ。『閻魔様から電話が来るぞ』だってさ」
「あれ? 何時の間に伝言貰ったの? ……って何よ、その伝言!!」
「さあ? 伝えてくれってさ」
「ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ……」
ヤバイのは現在の貴方ですよ。
真っ青な顔で「ヤバイ」を繰り返してる姿は、危ない人にしか見えません。
「ご愁傷様でした。もう会う事も無いかも知れないけど、元気でね」
「ヤバイヤバイ……。何言ってるの?! 見捨てないで!! 助けて!!」
「もしかしたら良い知らせかも知れませんよ?」
「突然他人行儀!! ヒドい!!」
何て話してたら、何処かで見てるのか丁度良い時に電話が鳴った。
しかも着信音はサメが襲ってくる映画の曲! こりゃ怖い!!
さすがに閻魔様の電話は拒否出来ないんだろう。
無表情で電話に出てた。そして話しながら外に出て行った……。
彼女は帰ってこれるのだろうか?
さ、気分を変えて明日の準備をしなきゃね。
ハガタの町に寄るんだから、当然ラーメンは食べる。
出来ればお持ち帰りしたいので、器を買っとかなきゃ!
って事で、ウエダさんの店でドンブリを50個購入です。
纏めて1万円で売ってもらった。
準備は……以上かな?
あれ? ラーメンを買いに行く旅みたいな感じがする……。
さて、翌日、特に問題も無く出発です。
ん? アサイさん? あの後帰って来なかったよ? 帰ったんじゃない(強制的に)?
目標は勿論ラーメン! いや違う、ハガタの町だ。
ココを経由して、とりあえずは交易の町に向かう。
それからサイラス国へ入り、勇者探しですね。
まあ、交易の町で待ってれば、何処に居るか連絡が入るだろう。
それまでは観光ですね! 楽しみです!
今回も昼にはハガタの町に到着した。
早速前に行ったラーメン屋に突入決定!
皆も楽しみだったようで、誰からも反論は出なかった。
店に入り、早速「こってりラーメン」を注文する。
今回は女性陣も「こってりラーメン」を注文した。どうやら違う方を食べてみたかったらしい。
ついでに店長にドンブリを渡して、50食作ってもらう。
「ハガタラーメン」と「こってりラーメン」を25食づつ。
マジか? という顔をされたので、「異次元のカバン2」を見せたら納得してくれた。
600円×50=3万円と、600円×4=2400円、替え玉200円×4=800円。
計33200円。ついでに辛子高菜も500円だったので5袋購入。
合計35700円の支払いでした。ラーメン屋でこんなに払う人って滅多にいないだろうなぁ。
会計も終わり、出来たラーメンもマジックボックスに収納した。
さて帰ろうかとしたら、『メール』が来た。
差出人はイイクラさんだった。
開いてみると「タブレットを起動させて、左上のTを押してください」と書いてあった。
さすがに店内でタブレットを出す訳にはいかないので、トイレの個室に入ってから取り出した。
タブレットの電源を入れると、確かに左上にTのマークがあった。
タッチすると画面が変わり、テレビ電話が始まった!
Tってテレビ電話なのか!! 便利だな!!
「イイクラさん、今朝になってもアサイさんが帰ってきませんでしたけど?」
「大丈夫ですよ。閻魔様が強制的に呼び戻しましたので」
……やはりそうだったか。さようなら、アサイさん。
「ならいいです。それで、居場所が判りましたか?」
「ええ、発見しましたよ」
「それで、今勇者はどこに居ますか?」
「福田さんも知っている場所に居ますよ」
「えっ? じゃあ近いですね! 俺の知ってる所なんて狭いですからね」
「ええ、凄く近いですね」
「で、何処なんですか?」
「ドラゴンのダンジョンです」
「……何か聞いた事あります……」
「そうでしょうね。今居るハガタの町の横にあるダンジョンですから」
……ココに居るのかよっ!!




