アバウトな決意
醤油やウスターソースを狙ってたら、とうとうレベルが25になった!
どちらも10個づつ手に入れたので、当分は大丈夫だろう。
どちらも1個500mlくらい入ってるし。
それにしてもレイピアにエンチャントされている『毒』は凶悪だ。
俺が使うとほぼ100%成功する。
某RPGの毒針が必ず成功すると思ってくれればいい。
相手に毒耐性が無い限りは最強なんじゃないだろうか?
あれ? 俺ってもしかしてこの世界で最強になれるんじゃね?
運のお陰で敵の攻撃は当たらない。
俺が攻撃すれば毒を与える事が出来る。
孤立した場合でも従魔を呼べばOKだし。
レベルを上げたり、属性をAにしたり、技術や従魔を増やしたりすれば、最強になってしまう気がする……。
アサイさんのように、運が通用しない相手だけが問題だけど。
その人は世界が違うはずだから関係無いか?
この世界に俺よりも運が多い人が居る可能性はあるかもしれない。
ただその人は『運力』までは持ってないだろう。あれは加護が必要だ。
加護を持ってる人ならば、イイクラさんとかが知ってるだろう。
今度聞いてみよう。
そういう人がいないなら、のんびり暮らす為にも最強を目指してみてもいいかな?
とりあえず、
1.レベル上げ
2.属性をAにする(欲求系は上げない)
3.技術を増やす
4.従魔を増やす
この4点が目標だね。頑張ろう。
その為にも、まずはここのダンジョンのボス退治だな。
一気にレベルが上がる可能性もあるんだし。
迷路はいつものように運を使って軽々と突破。
いよいよ、この階段を下りればボスと対面だ!
時刻は16時。もう夕方と言える時間だが、10階はボスだけなので大丈夫だろう。
なんせ帰ろうと思えば1分もあれば帰れるのだから。
階段を降りると、天井に届きそうなほどの巨大な観音開きの扉が目の前にあった。
……ここのボスってこんなに大きいのか?
しかもこの扉、開け方が判らない。
鍵がかかっているのか、押してもビクともしない。
ならば引くのかと思ったが、引っ掛かりがないので引く事も出来ず。
もしやと思い横にズラそうとしてみたが、当然動かなかった。
たまに罠で、実はスライドドアでした~ってのがあるので、試したんだけどね。
皆で扉の周辺を色々探してみたけど、結局開け方は判らなかった。
「もしかして、誰も入った事が無いからボスの情報が無いのかな?」
「いえ、『10階で終わり』『10階にボスがいる』という情報はあるので、入った事のある者がいるハズです」
「う~ん、何か変だよね……。よし! 今度は扉の開け方じゃなく、違和感のある所を探してみよう!」
手分けして探した所、扉の一部分だけ出っ張っている事に気づいた。
スライドドアだと思ったのは、この出っ張りが丁度持ちやすい位置にあったからだ。
この扉、左右の扉は対称になってるのに、この出っ張りだけ右の扉には無い。
さっきは左右に引っ張ったのだが、何もならなかった。
上下にズラすのか? と思ったけど、やっぱり動かなかった。
もしやと思い、下部分を手前に引っ張るとパカッと上に開いたじゃないか!
カバーなのか?!
中には前世で見覚えのあるモノが……。インターホンってヤツだ。
そんなバカなと思いつつ、呼び出しボタンを押してみる。
ピンポーン・ピンポーン
本当に鳴ったよ! しかも電子音じゃないか!!
「は~い、どちらさまでしょうか?」
うわっ、普通に誰か出た! どうしよう? 何と言おうか?
「え~と、このダンジョンのボスに用があって来たんですけど……」
「そうですか~。で、どちらさまですか?」
ここは素直に答えた方が良いのかな?
「え~と、自分は福田と言います。他にカンダ・キジマ・コタニが一緒ですけど……」
「福田? ……もしかして、福田哲司?」
「そうですけど……何で知ってるんですか?!」
「本当に福田哲司?!」
「はい、本人ですけど?」
「では、本人確認クイ~ズ!!」
勝手に何か始まった!!
143話まできて、ようやく最強を目指す気になりました……。




