VSゴーレム&オーガ
とりあえずゴーレムから倒して行こうと考えている。
土ゴーレムのレベルは20で、俺やコタニさんより高い。
これを倒しまくって二人とも20になれば、次のオーガ戦がさらに有利になるだろう。
いつものように『土のゴーレム1体だけ出て来い』の祈る。
出てきたのは某RPGに出てくるゴーレムではなく、キン○マンのサンシャ○ンのような感じ。
もっと言えばゴールド○イタンが近いと思う。
とにかく、丸みが無く、レゴブロックで作ったみたいにカクカクなのだ。
色はそのまま土色。黄土色と言うのかな?
歩くと微妙に足に振動が来るので、重たいというのも判る。正に鈍重。
この重さを動かすのだから、力が強いのも当然だろう。
カンキジコンビに先に話をしておく。
「こいつで俺とコタニさんのレベルを上げたいと思うんだけど」
「なら、俺と一緒に前衛ですね。俺が正面に立つので、左右に分かれてください」
「では私は後衛をしましょう。魔法も使えるようになったので援護しますよ」
「ありがとう。じゃあコタニさんは左で、俺が右に行くよ」
「なんで私が左っスか?」
「コタニさんは右利きでしょ? 左の方が攻撃しやすいから。
俺はサブのレイピアで戦う。刺す攻撃がメインだから左手でも大丈夫なんだよ」
「了解っス!」
「じゃあ、頑張ってレベルを上げよう!!」
俺の掛け声で散開して戦闘態勢に入る。
コタニさんと俺が左右に別れ、正面をカンダさんが受け持ち、その後ろにキジマさん。
ここ9階の迷路はゴーレムやオーガが出るせいか、通路が広く作られている。
その事もあってうまくフォーメーションが出来た。
カンダさんが正面でゴーレムへ挑発を繰り返すと、俺達を無視してカンダさんに向かっていった!
これはチャンス! コタニさんが側面から切りつける!
俺はレイピアを左手に持ち、ゴーレムの左側を刺す!
……はいはい、皆さんの予想通りですよ。
俺の刺突の1撃がゴーレムの魔法石を貫いて、あっけなく戦闘終了です……。
後2回くらい戦ったけど全て1撃でした……。レベルもちゃんと20になったよ。
さすがにこれでは話にならないので、ちゃんとコタニさんのレベルも上げる事にした。
前衛右にカンダさん、左にコタニさん、後衛の俺とキジマさんは魔法担当。
攻撃魔法はフリーズアローだけを使用する事に。前衛が居るのにファイヤーは危ないでしょ?
カンダさんは最近のRPGでよく聞く『タンク』の役目だ。
と言っても、盾を持って守る訳では無い。
ゴーレムの腕や足を切り落として行動不能にしていってる。
行動不能になったゴーレムにコタニさんがトドメを入れる。
切り落とした腕や足はスケルトンのように戻ろうとするので、それらは魔法で閉じ込める事に。
キジマさんが『ウォーター』で水を出し、俺が『フリーズ』を使って凍らせ閉じ込めるのだ。
こうすると氷が解けるまで戻れなくなる。
こっちに向かってきてる時は遠くから『フリーズアロー』で凍らせる。
こうして5体を倒したら、やっとコタニさんのレベルが上がった。
さ、これで今度はオーガ戦だ!
さっきはフォーメーションの意味無くあっけなく倒したけど、今度はゴーレムよりも早い敵。
フォーメーションの意味があるだろう。
何よりもカンダさんに強敵と言われるほどのモンスターだ。
警戒しなっくてはいけないだろう。
いつもの様に『オーガが1体だけで出てきますように』と祈る。
出てきたのは巨人と言うよりも、デカい『なまはげ』だった。
包丁と桶を持ってたら完璧だと思う。持ってるのは石斧だけど。
コイツがオーガか……。
うん、怖い。子供が見たら泣く所か、卒倒するんじゃないかな?
すばやく戦闘態勢に入る。
全身が蓑で覆われてるので、体が判りにくい。
そこで、ふと思い出した事を実践してみようと思った。
オーガがカンダさんと戦ってる間に、俺はレイピアを右手に持ち刺突する!
俺の剣技じゃ2連しか出来ないけど、何とか1撃は入った。
だがそれでも皮膚が堅いのか少ししか刺さらなかったが。
そのまま離れて少し様子を見る。
すると明らかにオーガの様子がおかしくなってきた。
そう、殺虫剤を受けたクモのように苦しんでるのだ!
どうやら成功したようだ。レイピアにエンチャントされている『毒』が!
1分もすると片膝を付き、持っていた石斧も手放している。
ここは一気に楽にしてやるべきだろう。
コタニさんと一緒にトドメを刺した。
オーガの死体は消え、後にはドロップ品が残った。
それはなんと『ウスターソース』!!
何故か入ってる瓶に書いてあるので間違いない!!
カンダさんに聞くとノーマルドロップは『醤油』だそうだ!
調味料が出るなんて……なんて良いヤツだ、オーガ。
当然オーガ狩りの始まりだぜ!!




