9階の情報
階段を降りてカンダさんから9階の説明を聞く。
「9階は3階や5階と同じ迷路です。
出てくるモンスターは、ビッグベアー・スケルトン・ゴブリン・ゴーレム・オーガの5種類です」
「今思ったんだけど、何でギルドは9階までの情報を持ってるんだろう?」
「……たしかに言われてみればそうですね。攻略されていないダンジョンなのにおかしいですね。
10階はボスが居るとしか書かれてませんでしたが、そこまで知ってるなら誰かが攻略してそうなのに」
「ボスが凄く強いのかな?」
「ここまでのモンスターから考えても、そこまで強くないと思いますよ。
多分強くても、レベル50~60くらいじゃないかと思います」
「変だね。……ちなみにボスを倒すとどうなるの?」
「ボスを倒すと、ダンジョンを制御している『ダンジョンコア』と呼ばれている魔法石が出てきます。
それをダンジョンから持ち帰ると、ダンジョンはただの洞窟に戻るそうです。
ダンジョンコアは魔力を貯める能力が高く、国が買い取りますね。
凄い高額で買い取ってくれるので、誰もがダンジョンコアを奪いにダンジョンに行くのですよ」
「だとすると、高レベルの冒険者が来ててもおかしくないのか。
なのにいまだにダンジョンは無事。う~ん、矛盾してるなぁ……」
「やはりボスか10階に何かあるのかもしれませんね」
「行ってみないと判らない……か」
う~ん、なかなか困った事になったなぁ。
予想に反して、凄く強いモンスターが居るなら危険だし。
ぶっちゃけ俺はレベル上げの為に来てるので、ダンジョンは攻略しなくても問題無い。
そこまでお金に困ってないしね。
ただ、大量の魔力が入れておけるというダンジョンコアは欲しい。
オークションの為に持っておきたい。
多分国が買い取るのもその為だと思っている。
……よし、保留しよう。
9階でレベル上げをして、それから考えればいいじゃないか!
「所で、さっき聞いた9階のモンスターだけど、、、
ビッグベアー・スケルトン・ゴブリンは知ってるけどさ、オーガって?」
「オーガはレベルが25~30の巨人です。
一説では育ったゴブリンではないかと言われています。
石で作った斧や石棒を振り回して攻撃してきます。かなりの強敵ですよ」
「そいつがこの階の最強のモンスターなのね?」
「そうですね。先ほどの話に戻りますが、ボスは一つ前の階に出てくるモンスターのレベルの倍だと言われています」
「オーガが25なら、ボスは50って事か。
カンダさんが47だったっけ? とすればちょっとヤバいかな?」
「レベルは1人で倒す場合の目安だと思ってください。
パーティーで戦うとなれば、レベル30の冒険者が4人も居れば倒せると思いますよ。
勿論連携が必要ですが。俺達は魔法も使えるので、全員で戦うなら勝てると思います」
「どうやって?」
「俺とキジマが前衛で戦います。コタニさんと福田さんで後ろから魔法で攻撃。
物理攻撃が効かないボスの場合は、俺が足止め役をして残りの3人が魔法で攻撃。
魔法攻撃が効かないボスの場合は、俺とキジマが前衛で福田さんが中衛、コタニさんは回復役ですね。
後、従魔のガーも居るので遊撃をしてもらいましょう。これで勝てます」
「なるほど! じゃあこの階で練習をしようじゃないか!」
「そうですね。それが良いでしょう」
方針は決まった。
オーガを相手にボス対策の練習だ。
ついでにレベル上げもね。
オーガを倒せれば、俺もとうとうレベル20台になるぜ!!
「あの~、まだゴーレムの説明が終わってませんよ?」
「あれっ? そうだった?」
「はい。ゴーレムは2mくらいの動く人形ですね。
素材によってレベルが違います。土で20、石で25、鉱石で30ですが、ここには鉱石ゴーレムはいないようです。
オーガより力がありますが、ゴーレム自体が重たいので動きは遅いです。
体のどこかに魔法石があり、それを壊すと倒せます。
魔法石は見えてる位置にある時もありますが、普通は体内にあるので探すのが厄介ですね」
「ふ~ん、面倒そうだね。ドロップ品が良いなら倒すって感じかな?」
「ノーマルドロップは『土』だそうです……」
「土って地面にある土?」
「そうです。レアドロップは『水と混ぜると固まる土』だそうですよ。」
『水と混ぜると固まる土』? ……セメントか?
セメントだとすると、狙っても良いかな? 倒しやすそうだし。
多分運任せで突き刺せば魔法石に当たると思うんだよね。
こいつも俺のレベル上げに協力してもらおう!




