森と蟹と豚
よく判らない内に、従魔が増えた。
まあ『技術』の『サマナー』で使えるから良いとしよう。
ん? あれって従魔を呼び出すんだよな?
ガーは腕時計の中に居るから意味無いじゃん!
今度はもっと大きいのを従魔にしよう……。
大体、ガーは何が出来るのだろうか?
物理攻撃が出来るのと、物理攻撃が効きにくい事は判ってる。
他に出来る事は?
本人に聞いた所によると、
1.壁とか抜けれる
2.飛べる
3.透明になれる
との事。
なんだろう? これだけ聞くと犯罪の匂いがする……。
エロい主人公がこの3つを覚えたら、確実に女湯とかに潜入するだろうな……。
ちなみにレベルは20だそうだ。
ゴーストに負けてるよ、俺……。
もういい! この階のイベントは終わったハズだ!
さっさと次の階に行こう!
ガーが階段の場所を知っていたので、あっけなく7階に行く事が出来た。
ガーがいるせいか、他のモンスターが寄ってこなかったのだ。
暗かった6階とは違い、7階は昼間のような明るさだ。
「カンダさん、7階は何?」
「7階は見ての通り、森になってます。
モンスターは、~系モンスター・ビッグベアー・グラウンドクラブ・スケルトン・オーク・ゴブリン、です」
「ん? よく聞こえなかったよ? 何系モンスター?」
カンダさんは耳打ちで教えてくれた。
「虫系のモンスターです。キジマが知るとうるさいので……」
「了解……」
まあ森だから出ても不思議じゃないよね、虫。
「とにかく、ここから先は多くの種類のモンスターが出るので、注意してください」
「なるほど。了解した」
まずはまだ出会ってないモンスターと遭遇しておこう。
対処の判るモンスターは大して怖く無いから。知らないモンスターが知ってるのと一緒に来るのは怖い。
勉強は大事だよね。
って事で、まずは『グラウンドクラブ1匹と出会いたい!』と祈る。
出てきたのは、名前の通り蟹だった。大きさは1mくらい。
それを発見と同時にカンダさんが叫んだ!
「グラウンドクラブです!!」
「えっ? 何? 危険なの?」
「いえ、レベルは10でザコなモンスターです!」
「そうなの? じゃあ何でそんなに興奮してるの?」
「なかなか出会えないレアなモンスターなのです! ドロップ品は美味しい肉なのです!」
カンダさんを動かすのは、どうやら食欲らしい。
美味しい肉って、カニの事ではないだろうか?
倒すとカニが食えるのか……。うん、積極的に狙って行きたい!
カニに執着なのはカンダさんだけではないらしく、キジマさんとコタニさんも参戦してた。
おい、俺の守りはどうした?!
あっけなく倒された蟹は、「カニの足」というドロップ品を出した。
太さは3cmくらいで長さは30cmくらい。これは食いがいがあるなぁ。
じゅるり……。おっとよだれが。
思わず『グラウンドクラブばかり出て来い!』と強く願ってしまったぜ!
その後はカニ祭りになったのは言うまでも無い。
ちなみに俺が倒すと「カニミソ」が出てきた。カニパーティー決定だね!
カニはいらないほど手に入ったので、他のモンスターを呼ぶつもりだ。
次は『オークが1匹だけ出てきて欲しい』と祈った。
出てきたのは2速歩行の豚。熊のように立ち上がっただけに見える。
手も蹄のままだし。立ってる意味があるのか?
こいつにもカンダさんは興奮してた。
どうやらドロップ品は肉っぽいな。きっと豚肉だろう。
レベルも10~15だそうで、全員で倒した。
俺がとどめを刺したら、まさかの「牛肉」が出た……。
レアドロップなんだろうけど、変じゃないか?!
この後は当然のようにオーク祭りとなった。
他の人が倒すと、やはり「豚肉」が出てきた。
俺のレベルも15にUPしたので、ありがたい敵だったよ!




