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さすがにコタニさんも虎のゴーストは怖くないようだ。

キジマさんから離れて、剣を持って警戒している。

俺はサブの武器のミスリルのレイピアを装備し、虎ゴーストと対峙している。

虎ゴーストは一吠えすると、俺に飛び掛ってきた。


こんな時だけど、ゴーストの攻撃って何?

って考えてたら、レイピアに攻撃を受けた。

あれっ?! 物理攻撃っぽい?! 何それ?!

ゴーストは物理攻撃可能だけど、こちらの攻撃はすり抜けるって汚くない?!


どうやら虎ゴーストはレイピアが危険だと判るようで、レイピアを執拗に狙ってくる。

レイピアを左右に動かすと、目だけでなく顔を動かして追いかけてくる。

……なんか、虎と言うよりも猫っぽいな。

ネコヤナギのようなオモチャにじゃれる猫のようだ。


とりあえず襲って来たのを避けて、レイピアで胴体を切ってみる。

剣に何の手ごたえも無く半分に切る事が出来た。

放っておいたらどうなるのだろうと思ったが、少しすると引かれあってくっ付いた。

なるほど、細切れにするにはスピードが必要なのね。

スピードを出すにはレイピアは有利だ。軽いししなる。

虎ゴーストもそれを知ってるからレイピアを狙ってるのかも。


今度は撓りを利用して4分割してみた。

が、また少しすると元に戻る。

ならばと、俺の持てる力を使い、切り刻んでみた。8分割が最大だった。

これも失敗で、また少しして元に戻る。

これを10分以上続けてしまった……。


俺も疲れたが、虎ゴーストも疲弊しているようだ。

俺も虎も、いい加減どうでも良くなってきた感がある……。


その時、俺の耳元でアサイさんの声が聞こえてきた!

と言っても生の声ではない。何かに録音したような声だ。


「従魔にしますか?」


何を? どうやって?

説明が全然無いんですけど?!

まあ現状で考えれば、目の前の虎ゴーストの事だろうけどさ。

とりあえず「はい」と頭の中で考える。

するとまた声が聞こえてきた。


「YESかNOで答えてください」


だから説明しろよ!!

ムカツクわ~!! 後でアサイさんに文句を言おう。いや、晩飯抜きの刑かな?

頭の中で「YES」と考える。するとピロンと電子音がなった。

どうやら従魔になったようだ。

そう思った瞬間、虎ゴーストは白い煙のようになり俺の腕時計に吸い込まれるように入っていった!


ゴーストは何かに取り付いているという。

倒すには俺達のように『浄化』をエンチャントした武器で攻撃するか、魔法を当てるかしかない。

それ以外では、取り付いているモノを探しだし壊すと倒す事が出来るらしい。

つまり、この虎ゴースト、俺の腕時計に取り憑いたって事か……。


「従魔になったと思ったら、腕時計に取り付かれた!」

「えっ?! 従魔になったんですか?!」

「うん、何かそうなった。クソ! 腕時計から出ろよ!!」


ブンブンと腕を振るが、当然飛び出てくる事は無い。

それどころか、念話を送ってきやがった!


『キラキラしてて綺麗だったからこれにしました』

「キラキラしてるから決めた、ってネコかよ!」

『ネコではありません。虎です。名前を下さい』

「冷静だな! 名前を付けるから他のに憑いてくれよ!」

『名前次第で考えましょう』

「何でお前が偉そうなんだよ! え~と、え~と、じゃあお前の名前は『ガー』だ!」

『……由来を聞いても?』

「虎=タイガーだろ? 2文字だと、タイ・イガ・ガー、の3つしかない。『ガー』が一番カッコイイじゃない?」

『……腕時計は永久に私の住処になりました』

「なんでだよ?!」


皆はガーの声が聞こえないのでアレだけど、俺の喋ってる事から会話を考えたようだ。

皆から冷たい目で見られました……。

え~、この名前ダメなの? ペットの名前って2文字だよね?

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