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さて、2階に到着した訳だが。

1階はレベル1でも通用したけど、ここには狼が出るという話じゃないか。

レベル3の俺でも通用するのだろうか?

出会いたくない! と考えれば、運の力で出会わずに済むかもしれないが。

俺は犬が好きだ。なので狼も見てみたい。犬っぽいかもしれないじゃないか!!

という事で「狼には出会いたい。でも強くないのがいいなぁ~」と考えながら進む事にした。


で、2階な訳だが、何故か草原だ。太陽も出てる。

下に降りたハズなのに地上に出たのか?


「ナミちゃん、ここどこ?」

「? 2階だよ?」

「草原だよ?」

「そうだよ?」

「太陽あるよ?」

「そうだよ?」


うん、そういうものらしい。

ナミちゃんはココがお気に入りなのだそうだ。

でも大人がいないと来れないので、いつも困ってるそうな。

こんな危険のある所がお気に入りなんて、ナミちゃん……恐ろしい子!


運の力なのか、狼には全く出会わない。

出てくるのはスライムばかり。

たまに色の違うのが出てくるけど、強さは変わらない。相変わらず一撃だ。

今思えば、実はゲームで言う「会心の一撃」を出しまくってるんじゃないだろうか?

それともただ単にスライムが弱いだけなのか。

強敵に会えば分かるかもしれない。会いたくもないし、会う気もないが。



スライム飽きたな~と思っていた次の瞬間、それは来た。

目にも留まらぬ速さで、俺達の前を何かが横切ったのだ!

ソレが行った方向を見ていると、ソレは戻ってきた。

今、ソレは俺達の目の前で威嚇行動をしている。


ソレの正体とは…………狼の子供だ~~~~~!!


なんだコレ?! カワイイ!!

頑張って威嚇しとるがな。なんというプリティ!!

近寄って撫ぜたい衝動に駆られるが、相手は野生の狼。

しかし攻撃をするのか? いや出来ない! 無理!!


という事で、懐柔する事にした。

今こそ運を使う時だ! アサイさんやイイクラさんの顔を思い描きながら「懐柔したい!」と願う。

それと同時にカバンから屋台で買った串焼き肉を出して、目の前に置いて2歩下がった。

ほら、怖くないよ~。美味しいよ~。毒なんか入ってないよ~。という目で狼を見る。

狼の子供は、警戒しながらも食べ物の匂いに釣られてる。

目線は俺と串焼きとを行ったり来たり。いや、串焼きの方が多くなってきた。

待つこと10分、とうとう我慢が出来なくなったのか串焼きを食べ始めた!

食べる姿もプリティや~~。


狼の子供は、串焼きを食べ終わるとこっちをじっと見だした。

これはもしかして「狼の子供が仲間になりたがってる!」ってやつですか?!

俺はもう1本串焼きを出して、左手に持ったまま右手で手招きをする。

おいで~おいで~。まだ沢山あるよ~。

もうすでに警戒心が無くなったのか、テトテトと近寄ってきて俺の手から串焼きを食べ始めた!

はい、仲間入り決定です!!

絶対連れて帰ります!!

この銀色の毛、プリティな目、ピンと尖った耳、小さい足、フサフサのしっぽ、全てがカワイイ!!


串焼きを食べ終わった狼の子供は、また俺をジ~っと見ている。

俺は恐る恐る聞いてみた。


「一緒に来るかい?」

『うん! 行くー!』


うぉっ! どこからともなく声が聞こえた!


「この声は君かい?」

『そうだぞー』


これは念話というやつか?

いや、そんな事はどうでもいい!

狼の子供が仲間になってくれた事が重要だ!


「名前はなんて言うの?」

『名前?』


名前は無いのか……。

では、早速名付けなくては!


「よし! 今日から君の名前はポチだ! どうかな?」

『ポチー!』


しっぽがブンブンと振られている。どうやら気に入ってくれたようだ。


「ナミちゃん、紹介しよう! ポチだ!」

「哲司兄ちゃん、すご~い! 狼を手懐けちゃった!!」

「かわいいだろ?」

「うん! かわいい!」

「で、ポチ。こっちはナミちゃんだ!」

『ナミー!』

「お互い仲良くしてくれな!」

「うん、仲良くする~!」

『仲良いー!』


二人ともいい子やで~。

思わず二人の頭をナゼナゼしてしまった。

満足だ。今日はもう帰ろう。

レベル上げ? 知るか、そんなもん。

日曜までには2話くらい投稿したい…。

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