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アサイさんの挑戦

「何でアサイさんの出番なの?」

「だってココに居る福田君の仲間はダメなんでしょ? 私には関係無いから大丈夫よ!」

「……いや、多分一緒に来たから仲間と思われてるよ?」

「えっ? なんで? 私はこの人達のギャンブル仲間じゃ無いですよ~!!」


店中に大きい声で宣言してるよ……。

でも誰も賛同してくれない。当然だ。


「無理だって」

「何でよ?!」

「だって、俺の出したお金で俺の出した無の魔法石にエンチャントしようとしてるんだよ?

 仲間にしか見えないでしょ?」

「ぐぬぬ……こうなったら!」


どうやったって無理だろ?

アサイさんは無の魔法石を回収し俺に渡した。返金させた金は自分の懐に入れてる……。

結局、泥棒なの? 何を考えてるのか。

その後、俺に話しかけてきた。


「ルーレットが終わるまで話しかけないでね? 後、1万円頂戴?」

「別に良いけど、何する気だよ?」

「な・い・し・ょ~」


ムカツくので話しかけないと言うよりも、放置する事にしよう。


アサイさんから少し離れる。

遠目から見てると、アサイさんの頭頂部の髪の毛がヒョコっと立った!

何だ? 寝癖? アホ毛? 妖気か?!

あれっ? もう立ってないぞ? 気のせいだったのかな?

アサイさんは、何事も無かったように店長に話しかけた。


「1回挑戦させてもらうわよ。良いわよね?」

「どうぞ。6万円です」


はぁ?! 何で挑戦出来るの?!

い・いや、今はその謎を考えてる場合じゃない。

挑戦出来るのなら、祈って視力UPが当たるようにしなくては! ムニャムニャ。


「そいやっ!!」


気合を入れてスタートボタンを押すアサイさん。

気合を入れるのはストップボタンの時だと思うんですけど。


「てりゃっ!!」


改めて気合を入れてストップボタンを押してる。

そしてルーレットは希望の『視力UP』……の隣のハズレに止まった……。


「ハズレちゃった! てへっ!!」


おいっ! どうなってんだよ?!

慌てて店外に引っ張って連れ出す。


「外すなよ! って言うか何故挑戦出来た?!」

「ああ、ちょっと『魅了』使ったから」

「うわぁ……、良いのかよそれ……」

「問題無い! と思うよ? 多分?」

「疑問系かよ! まあそれはいい。どうせ怒られるのはアサイさんなんだから」

「え~! 一緒に怒られようよ~!!」

「確定かよ! 俺は怒られる様な事をしてない! それよりも!」

「……何よ?」

「俺、祈ったのに何でハズレたの? 初めてだぞ?」

「福田君の初体験GET!」

「……本当に下ネタ好きなのね……で?」

「私、違う世界の人間だから作用しないよ?」

「でも『魅了』は効いたじゃん!」

「判りやすく言うなら『上』の人間だからね。『下』の人間には効くのよ」

「……どういう事?」

「具体例で言うと、表計算ソフトが良いかな?

 2010年のソフトで作ったファイルは、2015年のソフトでも見る事が出来るよね?

 でも2015年のソフトで作ったファイルは、2010年のソフトでは開けない。そんな感じ」

「判るような判らないような……」

「出来る方法もあるのよ?

 この例で言えば、2015年のソフトでファイルを作る時に互換性のあるファイルにするの。

 拡張子を変えるとかね」

「うん、よく判らない!」

「もっとパソコンを勉強しなさい!」

「この世界に無いじゃん」

「ぐっ! た・確かに……」

「で、通用しない事は判った。最後にもう一つ質問だ」

「何?」

「俺の運が通用しない事を知ってるのに、何で挑戦したの?」

「やってみたかったから」


金返せ!!

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